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欧州は緊縮政策を撤回せよ

  • ジョセフ・E・スティグリッツ

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2015年1月15日(木)

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米国経済が回復の兆しを見せる一方で、欧州経済はさらに混迷を深めている。
欧州の指導者は基本的な考え方も政策も間違えているとスティグリッツ氏は指摘する。
緊縮政策を撤回しユーロ圏の構造を改革しない限り、欧州の回復は望めないという。
ジョセフ・スティグリッツ氏
1943年米国生まれ。米アマースト大学卒、67年米マサチューセッツ工科大学にて経済博士号取得。95~97年クリントン政権で大統領経済諮問委員会委員長、1997~2000年世界銀行のチーフエコノミスト。2001年にノーベル経済学賞受賞。現在は米コロンビア大学経済学部教授。2011年に米誌「タイム」の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれる。『世界の99%を貧困にする経済』など著書は多い。

 米国経済はようやく、ジョージ・W・ブッシュ政権末期に勃発した金融危機から立ち直る兆しを見せている。米国金融システムの内部崩壊とも言えるこの危機の衝撃波は、全世界に及んだ。

 立ち直りといっても、決して力強い回復ではない。せいぜい、危機が起こらなかったと想定した場合の経済と、現状との差が拡大しなくなったという程度だ。その差は縮小しているとしても、ペースは緩慢だ。危機が残した傷跡は長く残るだろう。

 一方、事態が今より悪化する可能性もなお残る。大西洋を挟んだ欧州では、米国並みのそこそこの回復の兆候すら、ほとんど見えない。危機が起こらなかった場合に予想された欧州経済と現状との差は、今も拡大を続けるばかりだ。

 欧州連合(EU)加盟国の大半で、1人当たり国内総生産(GDP)の値は危機前より低い。欧州経済の不振は「失われた5年」と言われてきたが、その表現は急速に「失われた10年」に言い換えられつつある。

 景気の停滞が(国によっては景気の後退が)1年また1年と延びる中、冷徹な統計数値の裏側で、人々の暮らしが破壊され、夢が潰され、家族がばらばらになって(あるいは家族を作れずに)いる。

欧州は自ら苦境を招いた

 EUには、高度な教育を受けた才能豊かな人々がいる。加盟国には、しっかりとした法制度と、きちんと機能する社会がある。危機が起こる前は、大半の加盟国の経済は非常に良好だったほどだ。1時間当たりの生産性やその伸び率が、世界のトップクラスだった国もある。

 しかし、欧州は被害者ではない。確かに米国は経済の管理を誤った。だが、世界に及んだ悪影響が欧州にまとめて降りかかるようにと、米国が何かの手を使ったわけではないのだ。

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