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「平均寿命100歳」になると社会保障費はどうなる?

2015年1月20日(火)

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 筆者のように金融機関に勤めている人は、年末年始のお休みが短い。東京証券取引所の大納会が昨年12月30日で、大発会が1月5日。その間に、中学受験を控える息子との初詣や実家への日帰り帰省などを、慌ただしく終えなければならない。そんな中でたまたまテレビで観たのが、1月4日夜にNHKが放映した「NEXT WORLD 私たちの未来 第2回『寿命はどこまで延びるのか』」である。

 実に衝撃的な内容だった。周囲の人にその後尋ねてみたところ観た人がほとんどいなかったので少々拍子抜けしたのだが、人間の寿命という根本的な部分で世の中が今後15年くらいで大きく変わるというのは、経済や財政の今後を考えるうえでも見逃し得ないことである。

2045年の平均寿命は100歳に到達?

 この番組によると、世界の多くの研究者が「2045年に平均寿命は100歳に到達しているかもしれない」と予測している。織田信長は「人間50年」と謡ったが、その倍の長さである。2015年には「医療テクノロジーの大革命」が起きて、若くて健康なまま長生きできる「寿命黄金時代」の幕開けになると予測する未来学者もいる。この番組でポイントとされたのは、以下の3つである(録画しておいて、もう一度観ながら書きとめた内容である)。

①老化メカニズムの解明
 老化を鈍らせて寿命を延ばす物質「NMN」が発見された。これが7種類の「サーチュイン遺伝子」に働きかけて、細胞を活性化させる。マウスでの研究では驚くべき好結果が出ており、早ければ今年、人への臨床試験が開始される。

 さらに、この「NMN」という物質には若返りの効果があることも、米ハーバード大学の研究者によって発見された。

②がん研究の進化
 人工知能などテクノロジーの進化で、医療技術が大きく進歩している。3Dプリンターが移植医療に革命を起こしつつあり、病気で傷んだ臓器を取り替える時代の到来が現実味を帯びてきた。

 あと15年で再生医療は劇的に進化してさまざまな臓器が製造・移植されるようになり、30年もあれば平均寿命は100歳を超えてしまうだろうと、研究者の1人は予測している。手術ロボットである「ダビンチ」がすでに実用化されている。また、人間の血管の中を巡回しがん細胞だけを攻撃する「ナノマシン」投与の臨床試験が最終段階に入っている。

 米国の研究者は「この数年でがん研究は劇的な進歩を遂げている」「米国では既にがんによる死亡者数が年々減少しつつある」「人類はがんとの戦いに勝利し始めている」と明言した。

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「「平均寿命100歳」になると社会保障費はどうなる?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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