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オバマ大統領がパリ行進に参加しなかった理由

「表現の自由」に制限はないのか?

2015年1月22日(木)

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 イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を掲載した仏週刊紙『シャルリエブド』の本社を襲撃するテロ事件から2週間が経った。欧州は「表現の自由」を錦の御旗に団結する。中東やアフリカのイスラム教国家は「預言者への侮辱は許せない」と反発する。

 そうした中で米国内では、事件直後に行なわれた反テロ行進にオバマ米大統領が参加しなかったことを巡って論議が続いている。この行進には、英仏独の首脳はもちろん、パレスチナ自治政府のアッバス議長まで参加した。

 興味深いのは保守派とリベラル派のそれぞれにオバマ支持派と不支持派がおり、議論が交差している点だ。オバマ批判の口火を切ったのは、保守系の米ウォールストリート・ジャーナル。それにリベラル派の米ワシントン・ポストが追い討ちをかけた。

 ウォールストリート・ジャーナルは1月13日付の社説で、「イスラム教徒たち(Islamists)は西洋の自由、西洋文明を脅かすという政治的イデオロギーを誇示したのだ。罪のない人たち、同盟国フランスが攻撃された。(オバマ大統領が行進に参加しなかったことは)イスラム教過激派が持つ脅威と性格およびその規模を(オバマ大統領が)評価できないことを示す新たなシグナルだ」と指摘した。

 見出しは「French Disconnection」。ロビン・ムーアによるノンフィクション小説、「フレンチ・コネクション」をもじったものだった。この小説は、ニューヨーク市警がフランスから密輸されてきた麻薬を押収、フランス人の黒幕を追及する筋書き。1971年には同名で映画化され、アカデミー賞5部門を受賞した。
("French Disconnection," Wall Street Journal, 1/12/2015)

 一方のワシントン・ポストは1月15日付の社説で、オバマ大統領が参加しなかったことについてこう指摘した。「オバマ大統領がパリ行進に参加しなかったことは、オバマ政権がイスラム教聖戦主義(Islamic Jehadism)と闘うモメンタムを広い意味で失いかけていることの表れだ。この攻撃はオバマ政権がイスラム教過激派武装勢力アルカイダとの戦争への意欲を改めて活性化させる動機とするべきものだった」
("The U.S. fight against Jihadism has lost its momentum," Editorial Board, Washington Post, 1/15/2015)

 さらに保守派ジャーナリストの重鎮、チャールズ・クラウトハマー氏は、ワシントン・ポストのコラム(1月15日付け)で、オバマ大統領が行進に参加しなかったことと反テロ戦争に対する姿勢を直結させて、厳しく批判した。「大統領はこれまで『Je Suis Charlie』(私はシャルリ)だったことは一度もない*。この48時間の間ですら『シャルリ』だったことはない。…テロと闘う戦争についての大統領の相反する感情がこれほど反映したことはない。オバマ大統領は就任以来、戦争という語彙をワシントンの公式辞書からパージしてきた。これまで同大統領は『戦争は終わらせねばならない』という概念と、『戦争は既に終結している』という概念の間を行ったりきたりしているだけだった」
("Charles Krauthammer: Obama: Charlie who?" Washington Post, 1/15/2015)

*「私はシャルリ」はフランス人の合言葉になっている。「私は殺されたシャルリエブドの風刺漫画記者の考え方に同意するわよ」といった意味合い。つまりオバマ大統領は一度たりとも風刺漫画記者の考えには同意はしていない、無制限な「表現の自由」の信望者ではない、ということをクラウトハマー氏は言っている。

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「オバマ大統領がパリ行進に参加しなかった理由」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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