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STAPと特ダネの共通点

捏造を見抜き排除する力がメディアにあるか

2015年1月23日(金)

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 「残存資料を調べた限りでは、STAP細胞はすべて既存のES細胞(胚性幹細胞)に由来することが分かった」

 理化学研究所の調査委員会は2014年12月26日、STAP細胞の存在を否定する報告書を発表した。理研はその直前、小保方晴子元研究員も参加した検証実験でSTAP現象を再現できなかったことを明らかにしており、世界中が関心を寄せていた騒動は1年で幕引きとなった。

 だが、真相はいまだ「藪の中」だ。報告書では、小保方氏が所属していた研究室に残っていた細胞の遺伝子が、ES細胞と99%以上一致した事実を指摘。調査委員長の桂勲・国立遺伝学研究所所長は同日開かれた記者会見でこの点を踏まえ、「STAP細胞が無かったというのは科学的にほぼ断定していい」と結論付けた。ただ、誰がどういった経緯でES細胞を混入させたのかという騒動の背景については最後まで解明できなかった。

 桂委員長は「科学者としてはたまたま混じるかなあ、という感想は持っている」と述べ、過失によって偶然にES細胞が混入し、STAP細胞として発表された可能性は低いとの考えを示した。STAP細胞は実験期間中、研究室の奥にある培養室の中に保管されていたが、培養室のカギは常時、ドアの近くに置かれており、夜間なら人目につかずに出入りできる。小保方氏は調査委の聞き取り調査に対し、「私は絶対に混入させていません」と答え、小保方氏以外の関係者も全員が混入を否定。目撃証言はなく、指紋採取などの方法で直接的な証拠を集めることもできないため、これ以上の調査続行を断念した格好だ。

「STAP細胞はあります」との小保方氏の訴えは否定された(撮影:菅野勝男)

 「リケジョの星」「iPS細胞より簡単に作れる」。

 2014年1月、STAP細胞の成果に関する記者会見を受け、マスメディアは「世紀の大発見」として大々的に取り上げた。研究内容よりむしろ、当時30歳の若さで研究を主導した小保方氏自身に焦点を当てる報道が目立った。だがその後、インターネット上で論文に関する疑義が提起されると、トーンは一転。大手メディアもこぞって不正を追及する記事を書き始め、理研による調査委設置へとつながった。

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「STAPと特ダネの共通点」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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