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ルール形成、日本が抱えるもう1つの課題

2015年1月30日(金)

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 1月26日号の日経ビジネス特集「Jスタンダード ルールは『守る』より『作る』」では、技術の国際規格化や、法規制、政府・NGO(非政府組織)への働きかけなどルール形成の重要性を指摘した。この分野で日本が海外に比べて遅れをとる現状を特集で紹介したが、ここでは日本が抱えるもう1つの課題を取り上げたい。

 その課題とは、「認証機関の存在感の小ささ」だ。認証機関とは、企業が国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)などの国際規格を取得、あるいは新たに提案・作成する際に、対象の技術が、規格が定める(定めようとしている)基準を正しく満たしているかどうかを審査する機関だ。国内では日本品質保証機構(JQA)や、電気安全環境研究所(JET)といった組織がある。

 だが業界関係者によると、こうした国内の認証機関は民間企業よりも、省令に合致しているかどうかを審査するなど官の仕事が中心という。国内での業務が中心で、組織形態も一般財団法人となっている。

 翻って欧米では、認証機関は純粋な民間企業であることが多い。フランスのビューローベリタスや英国のインターテックのように株式を上場している機関もある。民間企業だけに収益を拡大しようという意欲が高く、国外での事業展開にも積極的だ。

売上高は海外勢の150分の1

 事業規模の差も歴然としている。2013年度の売上高はJQAが142億円、JETは43億円。対してスイスのSGSは58億スイスフラン(約6800億円)、ビューローベリタスは39億ユーロ(約5600億円)だ。つまり、JETの売上高はSGSの150分の1程度でしかない。社員数もSGSの約8万人に対して、JQAは800人ほどしかいない。

 欧米ではメーカーが新しい国・地域に進出するのに合わせて認証機関も進出し、現地の認証機関を買収するなどして、新市場でも規格の認証業務を一手に引き受けるといった動きがある。国内認証機関でもJQAが2012年にタイの認証機関に出資。2014年10月には、認証サービスに関する需要調査や現地機関との連携を目的にベトナム・ハノイに駐在員事務所を開設したが、海外勢に比べて動きは遅い。

 日本発の提案で、2015年2月にもIECの国際規格に加わる冷蔵庫の消費電力量の測定方法。国内メーカーの冷蔵庫の省エネ性能を的確に評価できるこの規格は、インドネシア、マレーシアなどアジア諸国での普及に取り組んでいる。 規格作成に携わった専門組織「基準認証イノベーション技術研究組合」などは、まずこの規格の認証をJQAに依頼した。だがJQAは、東南アジアなど海外での認証業務には対応していないことを理由に断ったという。同組合は仕方なく、インターテックに依頼して認証してもらい、新たな国際規格を作り上げた。

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「ルール形成、日本が抱えるもう1つの課題」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト