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原油急落で「世界経済の22%」が悪くなる

2015年2月3日(火)

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 昨年11月27日の総会でサウジアラビアが主導して原油減産を見送ったOPEC(石油輸出国機構)は、原油価格の大幅下落を放置することによって生産コストが高い米国の「シェール革命」関連業者を追い出すことを狙った「石油戦争」を仕掛けており、この持久戦的な状況はまだしばらく続く見通しである。

 主要な油種の価格は1バレル=50ドルを大きく下回っており、米ニューヨーク商業取引所(NYMEX)上場の米原油先物は1月28日、1バレル=44.45ドルで取引を終了。2009年3月11日以来の安値になった。

 こうした原油価格の急落は、世界経済にどのような影響を及ぼすだろうか。IMF(国際通貨基金)は昨年12月22日、+0.3~0.7%の成長率押し上げになると分析。1月7日には世界銀行が+0.5%程度の成長率押し上げになるという試算を示した。

原油価格の影響を世界経済全体で検討

 原油産出国から消費国へと所得移転が発生することが理由である。また、そうしたシナリオの根底にはおそらく、世界経済全体を見わたした場合、原油価格下落によって経済成長が下押しされる国々よりも経済成長が押し上げられる国々の方が大きいシェアを占めるという認識がある。

 もっとも、原油価格の急落が及ぼす影響については、さまざまな角度からの考察が可能である。米国では、ガソリン価格の急落が家計に対して大規模な減税に等しい好影響を及ぼしていることを重視する見方が一般的である。だが、サマーズ元財務長官はかなり慎重な見方をとっており、「原油安は個人消費を刺激するが、エネルギー企業の投資が抑制され、全体として『ややプラス』ぐらいだ」と述べた。

 米議会予算局(CBO)も、これに近い慎重な見方である。また、1月7日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(2014年12月16、17日開催分)には「原油価格下落のインプリケーションは、特に価格の下落がインフレ期待や金融市場に影響を及ぼす場合には、地域によって異なるだろうという見方を参加者は示した」という記述がある。

 では、原油価格の急落で経済に悪影響が及ぶ国・地域は、世界経済の中でどのくらいのシェアがあるのだろうか。ここではIMFデータベースにある各国のドルベース名目GDP(13年実績・一部IMF推計値)を主として用いながら計算してみたい。

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「原油急落で「世界経済の22%」が悪くなる」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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