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高度プロフェッショナル労働制は必要

  • 中村 壽伸

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2015年2月6日(金)

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 ホワイトカラー・エグゼンプションが今国会で法律化される見通しで、2016年4月に施行される可能性が高まってきました。

 ネット上での論争を見ると、ほぼ「実施反対」の意見一色で占められています。例えば、対象になるにはハードルの高い条件が課せられるとはいえ、さらに長時間労働になるのではないか、残業代を支払わなくても良いとのお墨付きを得て一部の企業でブラック化が進むのではないか、際限のない労働時間によって健康を害する人が増えてしまうのではないかといったものです。

 このような意見を言う人たちの心情は良く分かります。ただでさえ日本企業は長時間労働が常態化していますし、給与も思うように上がらず、むしろ下がり続けています。平成26年9月発表の国税庁「民間給与実態統計調査」によるとサラリーマンの平均年収は平成9年の467万円から平成24年の408万円へ15年間で59万円も減っているのです。

 しかし、これまでの政府方針や労働政策審議会の案を見た限りでは、私はこういった危惧は当てはまらないと思っています。もちろん、この制度を歪曲して解釈し悪用しようとする企業が出てくるかも知れませんが、そのような企業は制度がどうであれ、いつでもブラックなのです。

 厚生労働省が通常国会で成立を目指す内容は当初の着想とかけ離れた内容になっていて、とても労働時間管理を改革したとは言えませんが、この内容のすべてがダメだとは言いません。ホワイトカラー・エグゼンプションが本格的な実質のある制度にならない一方で、健康維持策への配慮が手厚くなる点は結構なことだと思います。あくまで今回のホワイトカラー・エグゼンプションは言葉だけ、形だけの導入であって、これまでの労基法運用とほとんど変わらないのが実態だと見ています。

「高度プロフェッショナル労働制」という名称に

 ホワイトカラー・エグゼンプションの性格が特定高度専門職・成果型であることを踏まえて「高度プロフェッショナル労働制」と名付けられることになりました。過去に示されてきた政府方針と1月16日に発表された労働政策審議会の制度案を整理すると適用対象者は次のように定義することができます。

  • (1)職務の範囲が明確な高度プロフェッショナルに該当する職種は「金融ディーラー」「アナリスト」「金融商品の開発」「研究開発」「コンサルタント」であること(今後の検討で増える可能性がある)
  • (2)「職務記述書」を作って職務範囲を明確にすること
  • (3)この制度の適用を「希望する人」であること
  • (4)年収1075万円以上であること

 この条件に当てはまる人には

  • (5)労働時間管理の対象から外すので、時間外労働手当、深夜労働手当、休日労働手当が支給されない
  • (6)労働時間と成果に関係がないので、成果で報酬を算出する
  • (7)健康維持策として「年104日の休日」「終業から次の始業まで一定のインターバル時間を置く」「働く時間に上限を設ける」のいずれかを労使で選ぶ

 ということになります。

コメント10件コメント/レビュー

「今後は専門性の薄い仕事は」⇒ 「海外にどんどんアウトソースされて、それまでの雇用の場はなくなる。かくして、所得格差が二分化していくことでしょう。」 オリジナルの文面の、残業がなくなりみんなハッピー、という表現には、ずっこけました。(2015/02/06)

「ホワイトカラーエグゼンプションが始まる」のバックナンバー

  • 2015年2月6日

    高度プロフェッショナル労働制は必要

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いただいたコメント

「今後は専門性の薄い仕事は」⇒ 「海外にどんどんアウトソースされて、それまでの雇用の場はなくなる。かくして、所得格差が二分化していくことでしょう。」 オリジナルの文面の、残業がなくなりみんなハッピー、という表現には、ずっこけました。(2015/02/06)

成果をどう可視化するのかが書かれていませんので、机上の空論と言われても仕方ないですね。注文を取る=成果で可視化しやすそうな営業職でさえ、例えば既存取引客からの100万円と新規取引先からの50万円の注文ではどちらの成果が評価されるのか明確な基準がないですし、評価って結局は、評価する人の好き嫌いで決まることすら筆者は知らないでしょう。評価の可視化をを突き詰めればサラリーマンもプロ野球のようにきめ細かい評価項目を設けて点数化していくしかないとも思いますが、それでも評価をめぐってもめてますけどねぇ・・・・(2015/02/06)

導入に反対している理由に対しての提案が無さすぎる。当たり前のことをとつとつと訴えられても意味がない。労働生産性を上げ、時間外をしなくてもよい社会を作るには、とりあえず時間外の手当てを無くせと売った合えるのは誰でもできる。なんだか時間の無駄だった。もう少しましなアプローチに提案が欲しかった。(2015/02/06)

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