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絵に描いただけの財政再建計画はもういらない

2015年2月6日(金)

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 増税なしでも財政再建は可能!?――。

 内閣府が間もなく公表する経済財政の中長期試算は、2015年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の赤字がGDP(国内総生産)比で3.3%となり、2010年度から半減することを明らかにする。PBは税収と副収入で政策的経費が賄えるかどうかを見る指標。これが赤字とは、給料では生活費が足らず、借金に頼る状態に似る。我が身に引き寄せて見れば、その危うさはよく分かるだろう。

(注)公債発行は2012年度までは決算額、それ以降は当初予算。
(出所)予算書、決算書、財務省「財政統計」等より大和総研作成

 政府は2020年にこれを黒字化する目標を掲げ、2015年には2010年度比で赤字幅を半分に減らすとしてきたから、まずは最初のハードルをクリアしたようなものである。2015年10月に予定していた消費税増税を2017年4月に先送りしたことも考え合わせれば、政府もやりくり算段、何とか財政再建を進めていると映るかもしれない。

地方への大盤振る舞いが見せる不安

 だが、第一の目標達成という姿は本物なのか。裏に回ればまた違う像が浮かんでくる。

 例えば、景気対策を盛り込んだ約3兆1000億円の2014年度補正予算。公共事業費を約3200億円と前年度の3分の1に絞ったとしている。しかし、実態はかなり違う。年度後半に計上した公共事業費は、年度内に執行できず翌年度に繰り越されることが珍しくない。そうなると、PB半減目標の算定対象になる2015年度の歳出が膨らむことになるから、繰り越しを徹底的に避けようとしたという方が実態に近い。

 実際、補正予算の策定過程で「2015年度に繰り越しとなりやすい公共事業はぎりぎりまで絞らざるをえない」と苦笑いする財務官僚の姿を何度も見かけた。脇腹の贅肉を背中の側に回して締め付け、正面からは少しでも痩せて見えるようにしたようなもの。2016年度になればまた元に戻る。

 あるいは地方関連予算。国の2015年度当初予算では、安倍晋三首相肝いりの地方創生枠で約7000億円、その他の一般財源で1兆2000億円を積み増している。その一方で地方自身の税収は2兆4000億円も増えているのに国から地方へ“給付”する地方交付税はほとんど減らしていない。地方はバブルとでも言えそうなだぶつき予算である。

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「絵に描いただけの財政再建計画はもういらない」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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