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中国の専門家が読む、米国の『2015年版国家安全保障戦略』

2015年のハイライトは習近平の訪米

2015年2月13日(金)

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 2015年2月6日12時45分、ブルッキングス研究所、ワシントンDC。

 各国の駐米大使やテレビ・新聞の記者たちは、ノートとペンを手に、固唾を呑みながら1人の女性が現れるのを待ち構えていた。会場は緊張感に包まれていた。

 時計の針が13時を少し回ると、スーザン・ライス米大統領国家安全保障担当補佐官が姿を現した。ちょうど同じ日にバラク・オバマ大統領が発表した『2015年版国家安全保障戦略』(前回は2010年)の概要を説明すべく、ライス補佐官は、“知的集積地”であるこの研究所を訪れたのだ。ブルッキングス研究所は政策と研究の交点で、同補佐官自身、かつて勤務した経験がある。

 実母を伴って“古巣に帰省”したライス補佐官は元同僚や旧友たちに笑顔で手を振りつつ演壇に上った。スピーチの冒頭で「ブルッキングスは私にとっての家です」と述べるなど、リップサービスも怠らなかった。

 会場には中国の政府関係者や研究者、ジャーナリストの姿も多く見られた。彼ら・彼女らは、5年ぶりに発表された『国家安全保障戦略』が中国をどう描いているのかに強い関心を持っていた。ライス補佐官は、米国の強靭なリーダーシップをどのように維持・向上・発揮していくかについて、同盟国やパートナーとの関係、経済政策、普遍的価値観、国際秩序といった視点から紹介した。

対中批判を控えた? ライス補佐官のスピーチ

 対中関係についても、慎重に、言葉を選ぶようにして見解を披露した。

 「米国は建設的で、機能的な協力を中国とともに進めていく。領土問題やサイバーセキュリティー、人権といった分野で米中間には立場の違いが存在するが、公共衛生や気候変動といった分野で協力を深めていく」と語った。

 また、今年、オバマ大統領が日本の安倍晋三首相と中国の習近平国家主席を国賓待遇で招待するとも発表した。2人の名前を同じフレーズのなかで並列させるように読み上げたライス補佐官の表情を見て筆者は、「任期が残り2年となった」(ライス補佐官)オバマ大統領が日中関係の改善を重視し、米国がその橋渡しをすべきだと考えていると感じた。

 スピーチ終了後、会場で遭遇した知り合いの上海政府関係者に「彼女の対中観をどう受け取りましたか?」と聞くと、「結構、抑えていましたね。意識的に中国批判を控えていた気がする。中国に遠慮していました」との感想が返ってきた。

 筆者はこの時、前日の5日にワシントンDCで開かれた、ある朝食会の光景を思い出していた。米国の宗教関係者が1年に1度集まる会合で、チベットのダライ・ラマ14世も出席していた。オバマ大統領はスピーチの中で“友人”ダライ・ラマ14世の活動と貢献を称賛した。

 オバマ大統領とダライ・ラマ氏がどのように対面するかに注目が集まっていたが、両氏が面と向かって言葉を交わすことはなかった。オバマ=ダライ・ラマ会談に頑なに反対する中国政府に対し、米国側が遠慮した形となった。

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「中国の専門家が読む、米国の『2015年版国家安全保障戦略』」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト