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組織は長の能力を超えて発展できない

アサヒ泉谷直木社長のプロ根性(上)

2015年2月19日(木)

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アサヒグループホールディングスの泉谷直木社長(写真:的野弘路)

 ビール類で国内トップのアサヒグループホールディングスは、2014年12月期決算で14期連続して純利益で最高益を更新した。泉谷直木社長(66)は5年前に就任してから現在までに、株式時価総額を約2倍に増やしている。生え抜きだが、業績をきっちり伸ばすプロ経営者といえる。

 メディアは、同業のサントリーが昨年、社長に起用した前ローソン社長の新浪剛史を、「プロ経営者」の代表のように取り上げてきた。まるで内部昇格の経営者はプロではないような扱いだが、スカウト組かどうかは本質的な問題ではない。

 プロ野球界のスーパースター、長嶋茂雄は、スポーツ・ジャーナリストの玉木正之のインタビューで、アマチュアとプロとの違いについてこう言っている。「プロの場合は、プロになろうと本人が決意しないかぎり、プロになれないわけですからね」。まず自覚が重要だというわけだ。

 長嶋は大学1年生の時に、いまわの際にある父親から、決定的な一言を与えられた。「『日本一のプロ野球選手になれ』と、まあ、そんなふうにいわれまして、『はい。なります』と、男の約束をしたわけなんです」。(玉木正之編著『定本・長嶋茂雄』)

男の旬は長くない、地位にこだわるな

 泉谷は55歳で常務取締役の内示を受けて、京都の実家に帰った時、父親の繁喜から厳しい訓戒を受けた。「社長には専務や常務からなる人が多い。会社がお前を常務にするということは、社長にするかもしれないという意思表示だ。もし、そうなったらどうするんだ。サラリーマン根性でいい加減にやっていたら会社をつぶすぞ。勉強しろ。もし社長はできないと思うのなら会社を辞めろ」。

 父親の繁喜は京都新聞社に勤めた。記者から管理部門に移って事業開発担当の取締役になり、京都タワーホテルなどの運営に当たった後、監査役として戻った。「親父から『そこに座れ』と言われて、説教が始まると、僕は抵抗できないんですよ」と泉谷は笑う。常務就任の心構えをたたき込まれて、「必死に勉強しました」と語る。結果的に専務を経て6年後に社長になった。

 その時、繁喜から「おめでとう」という言葉は無かった。「めでたくはない。ご苦労さんだ。しんどいぞ。途中で音を上げられないからな。体を壊すか首になるかどちらかだ」。泉谷はこう受けとめた。「居座れという意味ではなくて、男の旬はそんなに長くない。地位にこだわるなということでしょう」。

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「組織は長の能力を超えて発展できない」の著者

森 一夫

森 一夫(もり・かずお)

ジャーナリスト

1950年東京都生まれ。72年早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社入社、産業部、日経BP社日経ビジネス副編集長、編集委員兼論説委員、コロンビア大学東アジア研究所、特別編集委員兼論説委員を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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