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ビッグデータとAIは新しい消費市場を作りつつある

人工知能ブーム再燃の真実(その4)

2015年2月19日(木)

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 前回、「人類が生み出した超知能(神)が次の宇宙を生み出す??」など、究極のぶっ飛んだお話を書きました。今回は企業が保有するビッグデータの流通の話題などに大きくシフトしようかとも思いましたが、私自身、人工知能に再び取り組んでおり、健全に活用するスタンスの取り方が確定しきっていないので、引き続き現在の人工知能ブームに対して、様々な角度から冷静な目線を向けてみたいと思います。

20年前に予言されていた? ビッグデータによるシンギュラリティ

 昨今、急激に脚光を浴びている「超知能が全人類知を凌駕する」シンギュラリティに似た議論(その後見つけた例)は、30年位前にもありました。当時、自律的、自発的に学習する本格的な人工知能がなかなかできそうにないため、片端から機械に知識を詰め込んでやれば、いつか詰め込んだ以上の知識を類推などで学習できるようになるのでは、という意味での「臨界点」を目指す動きがありました。

 2つ前の連載の2ページ目「大規模知識ベースという副産物を生んだ当時の研究」でご紹介した、常識・知識ベース解プロジェクトの1つ、Cyc のDouglas B. Lenat教授は、(知識)量の違いが質の違いを生むと主張していました。FGCS第五世代コンピュータ国際会議の1つで、 Lenat教授は講演の最初に、「いつ機械は学習し始めるか?」(“When will machine learn?”)と大きく板書。その後、数10分、Cycプロジェクトの内容を紹介した後、当時のタイムスケジュール、ロードマップを聴衆が期待し始めたタイミングを狙って、

「199x年y月z日」と板書しました。

 すみません、確か、1994年12月あたりだったかと思うのですが、記憶、記録が定かでないので変数のままとさせてください。ポイントは、それがCycプロジェクトの(当時の)完了予定日であり、その日こそ、新規に人手で追加投入した知識量以上に機械が学び始める臨界点(割と堅実なシンギュラリティの定義と言えるでしょう)だ、とLenat教授が主張したところにあります。

 確かに、多様で膨大な常識・知識のストックがないと、新たに投入された記述から知識、情報(事実や意見)を取り込むことはできません。例えば次の例文を考えてみましょう:

例:彼は吠えて飛びかかってきた動物と向き合わざるを得なかった。

 「彼」は通常は人間の男性のことであり、人間は通常「吠えない」という知識を使って初めて、上記例文の中で「吠えた」のは「彼」でなく「動物だ」と判断できます。この知識がなければ、彼が吠えて、その後で、動物と向き合ったのかもしれないという可能性を排除できません。この曖昧さは、構文解析という、文の構造解析の結果に含まれる曖昧さなのですが、構文解析を正しく遂行するだけでも、膨大な量の常識知識を適切に表現して、正しく活用する必要がありそうです。また、それがかなり膨大になりそうであり、人間だからといっていつも正しく適切に知識をコンピュータに教えられるとは限らない。

 当時から、機械が常識を獲得できるようになるには何か大きなブレークスルーが必要だ、と感じていたのをお察しいただけるかと思います。もちろん、主に手動による知識のコーディングとその洗練、一定ボリュームになるまで歯を食いしばって実行する必要性を、天才人工知能研究者の名をほしいままにしたLenat教授らが確信していた事実は尊重されてよいでしょう。また、実際どの程度の量の知識を集めればよいのかをもっと研究すべしとか、人間の学習を真似るにはどの程度、人間と同様の脳の仕組みを真似る(=“強いAI”の発展)必要があったかとか、もっと執拗に追究すべきなのかもしれません。大規模知識ベース開発と並行して。

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「ビッグデータとAIは新しい消費市場を作りつつある」の著者

野村 直之

野村 直之(のむら・なおゆき)

メタデータ株式会社社長

NEC、MIT人工知能研究所、ジャストシステム等を経てメタデータを創業。ビッグデータ分析、ソーシャル活用、機微情報の匿名化ソリューションなどを提供中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官