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中国経済に吹く怪しげな風

社債、外貨準備そして地方都市の「変」

2015年3月2日(月)

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 年初来、ウクライナ東部を巡る政府軍と親露派の戦闘激化や、ギリシアの新政権に拠る支援条件修正闘争など、ソブリン危機を想起させるニュースが市場の懸念材料とされてきた。昨年から引き摺る原油安も、ベネズエラをはじめとする産油国の財政や米国の新興エネルギー開発企業の資金繰りに重くのしかかっている。

 但し、株式市場では日経平均やナスダックが「今世紀最高の水準」を更新するなど、明るい兆しが見えている。懸案であった米国の利上げも、1月FOMC議事録では多くの委員が慎重な姿勢を示すなど先送りの可能性が囁かれ始めており、日欧が量的緩和を続ける中で、金融相場の継続を期待する向きも増えているようだ。

 だが、世界経済の成長ペースはいま一つ冴えない状況だ。加えて、独り勝ちと言われてきた米国経済にも利上げを躊躇させる状況が見えてきたとなれば、投資にも慎重さが要求されるのは当然だろう。高値圏で推移する株だけでなく、高利回りの債券にもデフォルト・リスクへの注意が必要な時期が近づいている。

 高利回り債券といえば、ジャンク債や新興国債が代表例だ。ジャンク債の隆盛は、金融緩和に加えて規制強化で銀行の融資姿勢が慎重になったという環境が支えてきた。また新興国債への資金流入は、ゴールドマンが掲げた「BRICs」という金看板と金融危機後の先進各国の中銀による量的緩和が、それぞれ投資家の背中を押したものである。

 こうした「高金利債券」への資金流入ペースを一層加速させているのが、先進国の債券市場における超低金利だ。欧州では約2兆ドルの国債がマイナス金利となり、スイスフランに至っては社債の世界にまでマイナス金利が押し寄せている。昨秋の日銀による追加緩和に続き、本年早々にはECBも遂に量的緩和に踏み込んだことで、世界中の投資家による「金利探しバブル」の勢いは強まる一方である。

 原油価格急落を受けて、エネルギー関連企業の発行残高が全体の17%を占める米国のジャンク債市場では、一部銘柄に売りが殺到しているが、超低金利が蔓延(はびこ)る債券市場では「高利回り商品人気」はまだ衰える気配がない。

 だが成長鈍化が企業業績を圧迫して経営破綻するケースが出て来れば、高利回り債券にも「調整局面」がやってくる可能性はある。特に新興国のドル建て社債は、ドル高という逆風にも揺さぶられて、リスクが表面化することも想定される。

社債大国中国が発した警戒シグナル

 OECDに拠れば、2013年における新興国企業の社債発行額は、2000年比約15倍4670億ドルに上った、という。2014年は恐らく2013年を上回る発行量があったものと思われ、BNPパリバはドルやユーロなどの非自国通貨建ての新興国社債発行残高は既に2兆ドルを超えている、と推計している。

 新興国の中でも大多数を占めるのが中国、ロシア、ブラジル、インドそしてメキシコの5カ国の新興国である。特にその半分近くのシェアを持つ中国企業の発行額は、2010年の236億ドルから2014年には1171億ドルと約5倍に急増するなど、その増加ペースには目を見張るものがある。

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「中国経済に吹く怪しげな風」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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