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泥沼化する韓国財閥紛争がもたらす背景

日本企業は少ない牌の取り合いで苦労

2015年2月26日(木)

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 サムスンディスプレーとLGディスプレーが、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の技術流出事件に関して激しく衝突している。違法かつ組織的な手段によって技術情報の入手が行われたとして、双方が訴えているもので、攻防を繰り返している。

 2月6日、サムスンディスプレーの有機EL技術が流出したとして、それを入手したとされるLGディスプレーの役員と協力会社の社員、計3人が罰金刑を受けた。また、技術を流出させたとするサムスンディスプレーの研究員が懲役1年、執行猶予2年を言い渡された。

 一方、2010年からサムスンディスプレーがLGディスプレーの協力会社に近づき、設備購入の話をエサにしながら、大型有機ELの技術を入手したとされている。該当の技術とは、有機EL素子が空気と触れないようにしてディスプレーの寿命を延ばす内容のもの。ただし、サムスンはその技術を使っているわけではなく、実際には他の技術で対応している。2月13日、サムスンディスプレーの役員と社員の計5人が不正競争防止と営業秘密保護に関した法律違反によって起訴された。

 これに対してサムスン側は、該当技術は業界内では既知のもので不正取得する必要のないもの、協力会社へのビジネスを打診した経緯もないと反論している。「今後行われる裁判にて役員と社員の無罪を主張する」とも表明している。

 一連の事件で中心となっている有機ELは、サムスンSDIが研究開発を始め、2007年には小型ディスプレー向けに世界で初めて量産を開始した。したがって、当然ながらサムスングループは技術と製品の先駆者としてのプライドが高い。

 一方のLGディスプレーも遅れて量産に至ったが、テレビ用の大型ディスプレーに関してはLGがサムスンを先行した。LGは大型技術で巻き返しを実現したことになる。サムスン側は、大型化においては歩留まりの向上が課題となっていて苦戦しており、テレビの事業化が保留となっている分、競争意識を強めているのは事実だろう。

 競争意識が高い韓国と韓国人であるがゆえに、このような事件が起こっても何ら不思議ではないと筆者は考える。このような事件はこれだけに限らない。日本ではなかなか考えられない次のような光景も報じられてる。

LGの洗濯機破壊事件

 2014年9月3日、ドイツ・ベルリンの家電売り場で、サムスン電子のドラム式洗濯機3台のドアヒンジ部が破壊された。破壊したのはLG電子のホームアプライアンス(HA)社長、洗濯機研究所長の常務、広報担当の専務とされている。ソウル中央地検は2月15日、損壊と業務妨害などの疑いで、この3人を不拘束起訴すると発表した。さらに事件発生後の報道資料において虚偽の事実があったという理由で名誉毀損の疑いもかけられている。

 ホンダは人材を育てるが、サムスンは人材を競わせる。同様に、ゼロから研究開発に着手するホンダに対して、サムスンは基本的にM&Aで時間を買う――。このように、ホンダとサムスンでは企業文化や経営スタイルが大きく異なります。

 本書は、ホンダとサムスンで技術開発をリードした著者が見た日本と韓国の比較産業論です。サムスンという企業グループの実態に加えて、日本人ビジネスパーソンと韓国人ビジネスパーソンの特徴、日本の電機大手が韓国企業に負けた理由、日本企業がグローバル市場で勝ち抜くために必要なことなどを自身の体験を元に考察しています。ホンダとサムスンという企業を通して見える日韓の違いをぜひお読みください。

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「泥沼化する韓国財閥紛争がもたらす背景」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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