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個人情報「保護法制2000個問題」を解け

検証・個人情報保護法改正案 with 鈴木正朝(2)

2015年3月18日(水)

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 個人情報保護法の改正案が、データ活用の面で話題を呼んでいる。新潟大学の鈴木正朝先生との対談で、データ活用をめぐる現状やどんなところに問題点があるのかを明らかにしていきたい。その後編。(前回から読む)

プライバシー優先か医療発展優先か

森田朗(以下、森田):個人情報保護の話でいうと、医療関係のデータというのは、知られたくないという人が多いんですよね。

鈴木正朝(以下、鈴木):たしかに、病歴などは、親しい人以外には知られたくないですよね。

鈴木 正朝(すずき・まさとも)
新潟大学法学部教授(情報法)/1962年、岩手県生まれ。中央大学大学院法学研究科博士前期課程修了、修士(法学)、情報セキュリティ大学院大学大学院情報セキュリティ研究科博士後期課程修了、博士 (情報学)。個人情報保護の専門家として要職を歴任、著書多数。

森田:でも過去にどんな病気になって、どんな薬を飲んでいるか、どういう治療を受けたのか、といった情報は、医師にとっては、診療に当たって貴重な情報になるわけです。それがわかれば、本人の治療効果が高まります。それと同時に、人々の病気についての情報を大量に集めると、ビッグデータとして医学の発展に活用することができる。

鈴木:この持病でこの薬を服用している人であればこの薬が効く、または効きにくい、といったことがデータからわかって、それに基づいて投薬するようになれば、多くの人の治療効果がぐっと高まるでしょうね。

森田:一方では知られたくない。でも他方では、そのデータが人々の健康を促進する。そういったときに、データの利活用はどのようにしていけばよいのでしょうか。

鈴木:本人や家族の治療のためとなると、宗教上などの理由がない限りは、個人情報の利活用に同意してもらえる場合がほとんどでしょう。でも、自分の個人データを製薬会社に提供して、それが新薬の研究開発に使われるとなると、少し躊躇する人も出てくるかもしれませんね。新薬がいつできるのかわからないし、それが後世の人のためになるという公共的な目的は理解できますが、同時に製薬会社の営利目的もありますからね。

森田:直接自分や家族に利益が返ってくるかどうか、不明確な場合は難しいんですね。

鈴木:ええ。でも、周囲の誰かがなり得る病気の場合は、多くの人のためという公共的な目的が大きくなりますから、例えば、「がん登録法」のような特別法の出番になります。これは、がん登録を義務化して、がん対策の基礎となるデータを集め、がん患者に対して適切ながん治療を提供したり、がん予防をおこなったりするための法律です。このように特別法をつくって、その法律に基づいて本人の同意なく、多くの個人データを収集していくことも一つの方法です。

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「個人情報「保護法制2000個問題」を解け」の著者

森田 朗

森田 朗(もりた・あきら)

国立社会保障・人口問題研究所所長

行政学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京大学公共政策大学院教授、同大学院院長、総長特任補佐、東京大学政策ビジョン研究センター長、学習院大学法学部教授などを歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官