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馬との付き合いは瞑想に近づいていく

第12話 ゼロ・センス獲得の「道」と所作

2015年3月5日(木)

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 かれこれ、3年ほど、くうまさんの牧場とかかわらせていただいて思ったのは、馬との付き合いは「瞑想」のようなもので、牧場の暮らしは「道場」のようだ、ということ。あくまでもイメージなのだけど、禅の修行のようなものとすごく似ているのではないかと思った。

 馬を先生とするプログラムを提供している先駆者の方々の本を読むと、やはり「TAO(道)」とか「ZEN(禅)」という言葉が出てきている。

 日本には、「道」のつくメソッドはたくさんある。

 そういえば! 会社をクビになった後の動きを振り返ってみると、実はゼロ・センス獲得の修行メソッドを自分なりに試していたように思う。

 まずは「本」を使ったもの。「BOOKnite」というパーティーを開催して、 例えば“ART”、“深イイ漫画”、“Small”などのテーマを掲げ、本を一冊持ち寄り、紹介しあう。はたまた、学校では決して習わない日本の歴史を学ぶべく、 講師の選書で5冊を取り上げ、全5回の連続講座を開催したり、主催側で招待したメンバーだけによる哲学講座で「対称性人類学」をやったり…とにかく既存の思考の枠を壊す、そして、超えていくための仕掛けを設けた読書会の開催を試みていた。

 読書会は結構楽しくて、第9話の冒頭で引用したチェンバレンの『馬の自然誌』にあるように、本を読むことで生き生きと想像力を巡らすことができるのであれば、馬とのかかわりと同じような効果が望めるのだろう。

 けれども、本は何せ身体性に欠ける。ゼロ・センスを身につけるには(当時はゼロ・センスという言葉はなく、既存の思考の枠を超えるという視点で考えていたが、実際はゼロ・センスという自分の中から溢れ出るそれが欲しかったのだと思う)、脳と身体とが繋がっていないと、実践というか「日常の振る舞い」「暮らし」に落ちにくいと思った。

 それで手を出したのが茶道。当時、気に入っていた岡倉天心の『茶の本』。編集者の松岡正剛さんによれば「『茶の本』はまるで透き通った虫の翅のように薄い本であるが、その翅がひとたび震えると、日本精神の真髄が遠くまで響いていくものになっている」という本だ。外資系に長くいてグローバル経済の価値観にどっぷりつかっていた私にとって、身体を通じつつ、新たに思想を再構築する修行にもってこいなのではないか?と「茶道」を始めた。

 しかし茶道の稽古場通いは、たった1年半で終わった。合計20回くらいのお稽古と、お茶会に2度参加した程度。初歩的所作を覚えるのが精一杯ではあったけれど、その背後にある理、師匠や共にお茶を飲む方々への振る舞いの作法、着物のこと、器のこと、掛け軸、茶室そのもののしつらえ、などなどに魅了された。そこには自然や宇宙と繋がる感覚もベースとして存在していることも分かった。

 茶道や武道など「道」のつくものは、「道」を極めると達人と呼ばれたり、仙人の域に達するようなイメージを持っている。道を極めるには「いまここ」の精神は基本として必要であり、それはゼロ・センスと近い感覚で、身につけることは当然というか、基本なのだと思う。

 でも私の茶道体験では、伝統的な決まりごととか、芸術性というところについ目が行ってしまって、「いまここ」とか「ゼロ・センス」といった感覚と向き合うことができなかった。

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「馬との付き合いは瞑想に近づいていく」の著者

小日向 素子

小日向 素子(こびなた・もとこ)

株式会社コース代表

大手通信企業、外資系IT系企業等でマーケティングを担当。2009年独立。2010年からブックラウンジココロウタ主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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