• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

全人代で再確認された“大国外交”の変化

2015年3月12日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 現在、1年に一度のビッグイベント、全国人民代表大会(全人代)が北京で開催されている。党や政府の首脳陣が今年1年の政策目標を直接語る重要な会議だ。

 3月8日、王毅外相が記者会見に臨んだ。

 王外相はまず、2014年の中国外交を“豊作の年”“開拓の年”“創新の年”と総括。その理由として、アジア信頼醸成措置会議(CICA)とアジア太平洋経済協力会議(APEC)という“2つの主場外交を成功させた”ことを挙げた。その上で、以下のように主張した。

 「特筆すべきは、協力とウィンウィンを核心とする新型国際関係の構築に着手し、パートナーシップを重視する対外交流の新しい道を歩みつつあることだ。中国は昨年末までに70以上の国家・地域機構とパートナーシップを結んでおり、グローバルなネットワークを形成している。中国の“朋友圏”(友人ネットワーク)はどんどん大きくなり、良き友人も、良きパートナーもどんどん増えている」。

 ここにも、習近平政権を象徴する“新型”という枕詞が出てきた。

 王外相によれば、習近平国家主席が昨年提唱した“新型国際関係”は、勝者がすべてを持っていく独りよがりの古い考えに取って代わるものだという。また、「過去の大国と異なり、中国は平和的発展の新しい道を自ら切り開いた」とも語った。

 筆者がこのセンテンスから読み取ったのは、習国家主席が率いる中国外交の指導者たちが、(1)米国の存在を相当程度意識しており、(2)米国主導の国際秩序を何らかの形で変更したいと考えており、(3)中国自身を歴史に名を残す大国にする方法を追求しようとしていることである。

 王外相は2015年における中国外交の重点を“一帯一路”だと明言した(参考記事「張高麗主導でいよいよ本格化する“一帯一路”戦略」)。「相互に連結するインフラ整備、および陸上経済&海上協力の建設を推し進めたい。早期の収穫が見込め、ユーラシア大陸全体の振興を支援できると信じている」。

 “一帯一路”は習国家主席が政治的に重視している国家戦略であり、「中央宣伝部、中央電視台(CCTV)、新華社、外交部、商務部、発展改革委員会、そして各地方の人民政府やインフラ関係の国有企業など、各機関がそれぞれの職責から“一帯一路”を推し進めるべく総動員で取り組んでいる」(中国政府関係者)。

「中米両国は大国だ」

 王外相の記者会見では、中国・海外の記者から合計16の質問がぶつけられた。字数の関係上、ここですべてを取り上げ、解説を加えることはできないが、以下、筆者が選んだ3つについて議論してみたい。

 1つ目は日本・米国・中国の関係である。王外相は、米中・日中関係に関する質問にそれぞれ答えた。いずれも想定内の回答であったが、2015年の中国外交が対米・対日関係をどう位置づけているのかを確認する上で重要なコメントであった。

 まず、対米関係について。習国家主席がオバマ大統領の招待に応じて、今秋に米国を公式訪問する予定だとした上で、以下のように主張した。

 「中米両国は大国だ。摩擦がないことはあり得ない。新型大国関係を建設することによって摩擦が一夜にしてなくなることもあり得ない。我々は顕微鏡を使って問題を大きくする必要はない。それよりも、望遠鏡を使って未来を眺めることだ。方向性を把握することだ…中米の利益はアジア太平洋地域において最も重なり合い、その連動は最も頻繁である。新型大国関係はアジア太平洋から取り組むべきだ」

コメント0

「米中新時代と日本の針路」のバックナンバー

一覧

「全人代で再確認された“大国外交”の変化」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

プロフェッショナルとして、勝負どころで安易に妥協するなら仕事をする意味がない。

手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト