• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中国経済は「日本と同じトラップ」にはまるのか?

2015年3月17日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 中国経済についての筆者の基本的な見解は、以前も今も「短期楽観・長期慎重」である。社会の安寧を維持する観点から、一定水準以上の経済成長率は人為的に必ず確保しなければならないというのが中国の政治的な現実であり、そうした理解が「短期楽観」のベースにある。

 構造改革と経済成長の両立を掲げる習近平指導部は、景気の下振れリスクが強まる中でやむなく、これまでよりも後者に比重をかけざるを得なくなりつつあるように見える。

 中国人民銀行は2月28日、全国人民代表大会(全人代)の開幕が近づく中という予想外のタイミングで、追加利下げをアナウンスした(実施は3月1日から)。昨年11月の利下げ、今年2月の預金準備率引き下げに続く、今回の局面では3度目の追加緩和措置。新たな1年物貸出基準金利は5.35%、1年物預金基準金利は2.5%で、利下げ幅は0.25%である。

追加利下げは実質金利の上昇抑制のため

 3月2日付の中国の新聞、第一財経日報によると、中国人民銀行研究局首席エコノミストの馬駿氏は同紙に対し、今回の追加利下げは実質金利の上昇を抑制するのが狙いだったと説明した。馬氏は「中立的な金融環境をつくり出すのが今回の利下げの狙いだった」と指摘。物価上昇率の減速は大方の予想を超えるペースで進んでおり、名目金利を引き下げなければ実質金利が上昇し、金融環境が引き締まってしまうと述べた。欧州の民間銀行から人民銀行にスカウトされた馬氏の発言は、日頃から市場で注目されているという。

 中国の場合、期待インフレ率を示すデータの蓄積が見当たらないので、実質金利を算出する際は、便宜的に消費者物価指数(CPI)上昇率を用いている。当該月のCPI前年同月比を用いて算出した中国の実質ベースの政策金利を、1年物貸出基準金利について見てみよう<図1>。

■図1:実質ベースの1年物貸出基準金利は上昇
(出所)中国人民銀行、中国国家統計局資料から筆者作成

 既に述べたように、1年物貸出基準金利は3月1日から0.25%引き下げられて5.35%になった。これは08年9月の「リーマンショック」発生後、中国の政策当局が財政・金融両面から大胆な景気てこ入れを図った局面におけるボトム水準である5.31%と、ほぼ同じである。

「上野泰也のエコノミック・ソナー」のバックナンバー

一覧

「中国経済は「日本と同じトラップ」にはまるのか?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長