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かな漢字変換の学習をみて温故知新

人工知能ブーム再燃の真実(その6)

2015年3月19日(木)

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 前回、末尾に次のように記しました:

 「…次回は、新世代の人工知能らしい「学習」とは何かについて、かな漢字変換から、人工知能分野とは少し違う領域の研究者が取り組んでいた機械学習について、また、最適化のタスクや、そのためのビッグデータのモデル化などに触れてみたいと思います。」

 このあと、私の会社であるメタデータ(株)から半年ぶりに、機械学習による全自動テキスト分類等の意味理解機能を搭載したことで初めて「人工知能(AI)」をうたった製品「VoC分析AIサーバ」を発表しました。そこでこの製品にも触れつつ、主に、これまでに実現している機械による学習について論じてみたいと思います。

弱いAIの理想は「透明な」道具

 もっともシンプルで、日本人のほとんどがなじんでいる「学習」機能といえば、かな漢字変換でしょう。一番最近の変換結果を最優先で候補として出す機能です。確かに便利ですが、これに対して「人間のように知的な振る舞いをする人工知能だ!」と感動する人は見当たりません。かな漢字変換などは、誤変換をしないのはもちろん、できれば変換自体を意識させないことこそが高性能の証しであり、自ら自我を持ったり目立ったりしてはいけません。

 存在が利用者の意識から消えてしまい、道具を使っているという意識がなくなってしまうほど手になじむ道具こそが理想の道具ではないか。これを「目に見えないものは意識していないだろう」という意味で、認知心理学やユーザーインタフェースの学会などでは“transparency”(透明性)と呼んで、非常に重要な概念として位置付けてきました。

 かと言って、別に透明人間や透明アルミニウム(映画スタートレックで登場)を作るような苦労は必須ではありません。紙と鉛筆の組み合わせでも、それで書くことに集中できて、道具を使っているという意識が消し飛び、道具の存在を忘れていられるならその人にとって十分に「透明な」道具なのであります。前回書いた、自動運転車が目指すべき「馬」も、熟練者にとっては透明な道具になっているのでありましょう。

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「かな漢字変換の学習をみて温故知新」の著者

野村 直之

野村 直之(のむら・なおゆき)

メタデータ株式会社社長

NEC、MIT人工知能研究所、ジャストシステム等を経てメタデータを創業。ビッグデータ分析、ソーシャル活用、機微情報の匿名化ソリューションなどを提供中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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