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エネルギー政策で成長が高まるこれだけの理由

2015年3月20日(金)

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 2011年3月に起こった原子力発電所の事故以降、火力発電の燃料であるLNG(液化天然ガス)の輸入が急増し、貿易赤字の主因となっている。この背景には、日本がLNGを「ジャパンプレミアム」と呼ばれる高値で購入していることがある。事実、原発事故前は3兆円台だったLNG輸入額が2013年以降は7兆円を超えている。

我が国の貿易収支
出所:財務省

 こうした中、日本のLNG輸入価格に影響を与える可能性があるのが、米国のシェールガス革命である。近年、米国では天然ガスへのシフトが進行している。硬い頁岩(けつがん)中のガスや石油を採取できる技術により生産量が飛躍的に伸びており、米国の天然ガス価格は100万BTU(英熱量単位)当たり3ドル程度である。仮に、液化と日本への輸送単価6ドルを足したとしても、日本が輸入している天然ガス単価の約16ドルよりも7ドル程度も安くなる。

 このため、米国で増産が進むシェールガスの存在からLNGの価格が下がる期待があり、価格面でも注目すべき材料となろう。将来、日本が北米などから直接買い付けることができれば、シェールガスの生産急増により化石燃料全体の価格を抑制する効果が期待される。さらに、世界レベルで見て十分な供給があれば、原子力発電所の停止によって高い価格でLNGを買わざるを得ないジャパンプレミアムのような事態も解消されやすくなる。

天然ガス価格の推移
出所:IMF

日本の石炭発電効率は世界トップレベル

 一方、日本の最先端技術によって脚光を浴びているのが、石炭火力発電である。石炭は北米や欧州など政情安定国を中心に世界中に広く分布しており、安価で安定的に入手可能なことから、いまだに世界全体の発電量の4割を占めている。また、日本の石炭火力発電効率は平均4割以上あるのに対して、新興国などでは3割を下回っている国もある。こうした世界トップレベルにある日本の技術と共に、安定供給で安価なこともあり、日本経済の成長力に貢献することが期待されている。

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「エネルギー政策で成長が高まるこれだけの理由」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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