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「けったいな文化」を変えられなかったシャープ

問われる新中期計画の中身

2015年3月31日(火)

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 「5月まではまだ時間があるし、銀行との本格的な交渉はこれからだ。決まったら話すから今は勘弁してほしい」

 3月19日夜。あるシャープ幹部は、大阪の自宅前で記者数人に取り囲まれていた。その表情は硬く雑談には応じるものの、同社の経営に関わる質問に対しては口が重いまま。冒頭の発言以上のことは語らず、10分足らずで自宅の中に入った。

 業績の「再」悪化により、2月上旬に2016年3月期までの3カ年を想定していた中期経営計画の見直しを表明したシャープ。5月をメドに公表する2018年3月期までの新たな中期計画では、不採算事業の撤退や人員削減など抜本的な改革に踏み切る考えだ。海外テレビ事業からの撤退や国内部品工場の閉鎖を軸に調整を進めるほか、国内外の従業員を対象に6000人規模の人員削減を視野に入れる。

 口は重いものの、主力銀行との経営再建策の検討が進んでいることを否定しなかったシャープ幹部。実際、経営トップである髙橋興三社長は、3月上旬から少なくとも2回、資本支援を要請するために東京の本店を訪問。新たな中期経営計画の進捗状況を説明している。

 再び経営危機に陥ったシャープ。だが、3月19日夜の取材で筆者には気になることが一つあった。この幹部の帰宅に広報が付き添っていたことだ。経営陣にもかかわらずその発言を監視されているのような対応は、奇妙な光景にも映る。

幹部の帰宅に広報が同伴

 「けったいな(変な、道理に合わない)文化を変える」――。

昨年7月、日経ビジネスの単独インタビューに応じたシャープの高橋興三社長(写真:菅野勝男)

 2013年5月の社長就任時にこう力強く宣言した髙橋氏。以降、経営不振の根本原因が疲弊した組織にあると考え、社内の風土改革に精力を注いできた。事実、就任1年目は業務の改善や人事制度改革など、人や組織に焦点を当てた取り組みが目立った。

 「文化を変えずに(2016年3月期までの)中期計画を乗り切ったら、それが一番の不幸。1000年続くDNAを作る」。事業再編など踏み込んだ改革の可能性を問われると、髙橋はこうう反芻してみせたほどだ。

 だが、業績悪化に伴い、髙橋社長が何よりも変えようとした「けったいな文化」は社内の至るところで散見されるようになった。冒頭で紹介した、広報が同伴した幹部の帰宅は、その一例と言っていいだろう。

 さらに、ワンマンと隠ぺい体質を最も嫌った髙橋社長本人も、「けったいな発言」によって社内の人心を失い始めている。

社長自らが「けったい」に 

 3月20日、シャープの国内全拠点はただならぬ緊張感が漂っていた。前日に社長社長による緊急メッセージが全社で放送されることが通知されていたからだ。

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「「けったいな文化」を変えられなかったシャープ」の著者

佐伯 真也

佐伯 真也(さえき・しんや)

日経ビジネス記者

家電メーカーで約4年間勤務後、2007年6月に日経BP社に入社。専門誌・日経エレクトロニクスで、デジタル家電やディスプレーなどの最新技術動向を執筆。2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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