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なぜ個別強化よりチーム強化を選ぶのか

念入りに織り上げてこそ、世界の頂へ

2015年4月10日(金)

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 4月7日から12日まで東京・辰巳で日本選手権水泳競技大会が開催されています。今回の日本選手権は、今年8月にロシア・カザンで開催される世界水泳選手権大会の選考会であり、そのカザン世界水泳選手権大会は来年のリオデジャネイロ五輪につながる大事な大会です。世界選手権で結果を出せば、五輪への大きな自信になり、世界選手権は五輪で戦うための、あらゆる戦法を試せる機会としても捉えています。

 チーム平井の選手たちは、3月に米国フラッグスタッフでの高地トレーニングを終え、日本選手権に挑んでいます。高地トレーニングは、空気の薄い高地で体に負荷をかけ、選手たちの技術や体力を向上させるための大事な練習です。また、海外で行うことで、練習だけに集中できる時間が持てます。そして何よりも、「チーム力」を上げる絶好の機会なのです。

 私の連載にはよく「チーム」というワードが出てきます。「競泳は個人種目なのに、どうしてそんなに『チーム』にこだわるんだ」と思われている方もいるかもしれません。それは我々の最終目標である「五輪で金メダルを獲得する」には、チーム全体の底上げが不可欠だと考えるからです。

 「五輪の金メダルを目指すなら、可能性がある選手だけに集中して指導した方がいいのでは?」という意見もあるでしょう。確かにその方がより効率的に思えます。しかし、五輪で金メダルを獲得するのは非常に難しく、一選手の技術や体力の向上、戦術だけで勝てるものではない。効率よりも、本番で選手がより大きな力を発揮するために必要な力が、「チーム力」なのです。

土台を高めてこそ、より高く

 日本選手権の目標は、世界選手権の代表に選ばれることです。しかし、代表になれるレベルではない選手もいますから、我々は出場選手全員がベスト記録を出すことを目指します。過去を振り返っても、特に五輪開催の年の日本選手権では、チームのほとんどの選手が自己ベストを出しています。

 すると、チームのレベルが底上げされ、「私は強い!」ではなく、「私たちは強い!」というように雰囲気がとてもよくなる。代表に選ばれた選手は、その盛り上がった雰囲気を土台に、一気に世界を目指す。日本選手権後、私は改めて代表選手の指導に集中できるのです。

 一見、遠回りで手間がかかるように思いますが、チームの底上げは、金メダルを狙う選手はもちろん、チーム全員がハッピーになれる方法でもある。「勝つための環境」を生み出すために、私はこのステップを重要視しています。

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「「世界で勝てる人」を育てる~平井伯昌の流儀」のバックナンバー

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「なぜ個別強化よりチーム強化を選ぶのか」の著者

平井 伯昌

平井 伯昌(ひらい・のりまさ)

競泳日本代表ヘッドコーチ

北島康介、中村礼子、寺川綾、加藤ゆか、上田春佳を五輪メダリストに育てた競泳トップコーチ。リオ五輪でセンターポールに日の丸を掲げるべく、荻野公介、山口観弘らを指導中。東洋大学准教授、水泳部監督も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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