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米議会での安倍演説は「戦後70年談話」の序曲

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2015年4月21日(火)

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 4月29日から安倍晋三首相の公式訪米が始まる。同首相の訪米は2013年2月以来のこと。日米首脳会談は昨年11月に東京で開かれて以来5カ月ぶりだ。オバマ政権は国賓級の待遇で安倍首相を迎える。

 国家元首ではない、行政府の長を国賓級で迎えるのは極めて異例だ。さらに米議会は、日本の首相として初めて、米上下両院合同会議で演説する機会を提供する。「太平洋戦争終結70年を重く考える日本の意向を踏まえた米側の最大限の対応」(米国務省幹部OB)と言える。

訪米の狙いは「強固な日米同盟」を誇示すること

 安倍首相は訪米に先立ち、米有力紙ワシントン・ポストと単独会見を行い、今回の訪米の狙いは(1)日米同盟の一層の強化・緊密化(2)環太平洋経済連携協定(TPP)をはじめとする日米経済関係の拡充(3)米国の対日認識深化--を挙げている。

 1961年に池田勇人首相(当時)が訪米した時以降、これまでの首相訪米は、懸案解決の具体策を「手土産」に携えて出向き、米大統領との首脳会談に臨むことが少なくなかった。首相が交代するたびにワシントンに赴くことから「参勤交代」「お目見え」などと揶揄もされてきた。

 今回の安倍首相の訪米はこれまでの首相訪米とは明らかに異なる。戦後70年の節目を迎えて、日本は「米国にとってかけがえのない、最も緊密な同盟国」となった。日米間には確かに懸案があるが、かっての繊維交渉や牛肉・オレンジ交渉といったホットな懸案はない。日米防衛協力を一層強化するための、集団的自衛権行使を容認する「安保法制」も閣議決定され、関連法案の具体的な作成作業に入っている。TPPも合意に向けた最終段階に入っており、米議会ではオバマ大統領に通商一括交渉権(TPA)を与える動きが加速化している。「議会がこれを処理すれば、TPPは一気に進む」(甘利明TPP担当相)状況になっている。菅義偉官房長官が今回の首脳会談を「強固な日米同盟を世界に示す上で重要かつ有意義」と誇らしげにコメントしているのも頷ける。

安倍演説は「戦後70年談話」の序曲

 米議会もこうした背景を認識して、安倍首相に米上下両院合同会議での演説を用意した。諾否を決めるのは米下院議長だ。過去に、岸信介首相(58年当時)と池田首相(61年当時)が米議会で短い挨拶をしているが、いずれも下院の場だった。

 これまで日本の首相が米上下両院合同会議で演説していないのは、日本側が積極的に希望しなかったことが大きい。ただし、小泉純一郎首相のようにこちらから要請したが、同氏の靖国神社参拝が米議会の一部で問題となり、当時の下院議長が招請できなかったこともあった。

 安倍首相の議会演説がどのような内容になるのか。この議会演説は8月に発表が予定されている「戦後70年談話の序曲」(米議会関係者)と見る向きが少なくない。米国務省は、2013年12月に安倍首相が靖国神社に参拝するやいなや、「失望した」という異例のコメントを出した。米メディアも安倍首相が「強硬なナショナリスト」であると散々批判した。

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「米議会での安倍演説は「戦後70年談話」の序曲」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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