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日本の空き家の再生教室、「リノベスクール」の熱気

教材費3万円、でも仕事を休んで参加者続々

2015年4月10日(金)

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不動産事業における新たな発明かもしれない。福岡県北九州市で生まれた「リノベーションスクール」と呼ぶ取り組みが全国に広がっている。特徴は、受講生が数日缶詰めになって、空き家や空きビルを活用する事業のアイデアをひねり出し、実践してしまうこと。最終日の講評会は満席で立ち見が出る程だ。不動産オーナーも顔を出す。小さなエリアにゲリラ的に現れた新しい空間が、確実に街を変え始めた。「我が街でも」と、全国の自治体からの引き合いが増えている。

3月に東京都豊島区で開かれたリノベーションスクールの集合写真

 「初期投資を抑え、7年で回収する計画です」「事業内容はいいが、回収期間が長すぎる。5年以内で投資回収できるように組み直してほしい」――。

 このやりとりは、企業内部の議論ではない。東京都豊島区で3月に開かれた「リノベーションスクール」最終講評会のヒトコマだ。受講生の前には、講師のほか不動産オーナーや区議会議員も座る。会場は満席。不動産や街づくりの関係者や一般市民で溢れかえり、立ち見が出たため、急遽、別会場を用意することになった。

 リノベーションスクールの存在は、建設・不動産業界では2〜3年前から話題になっていたが、筆者はここまでの盛り上がりを見せるとは正直、思っていなかった。立ち見が出る程ぎっしり満員の会場とその熱気に驚いた。

リノベ=既存建物に付加価値

 リノベーションスクールとは何なのか、まずは概説を記そう。リノベーションとは、既存の建物を改修し、用途や機能を変更して付加価値を付けること。一般的に、リフォームより大規模な改修を指す。同スクールは、全国から受講生を募集し、リノベーションによって空き家や空きビルを再生させる。多くは自治体が主体となる。

 通常は3泊4日の短期集中で実施する。受講生が7〜8人のチームに分かれ、リノベーションの対象となる空き物件を調査し、オーナーにしっかりヒアリングする。応募してくるのは、20〜30歳代の若手が中心。建築関係者や学生、自治体職員などその顔ぶれは様々だ。

 スクールは、単に建物を改修した「キレイな絵」を描いて終わりではない。事業性や投資回収のメドなどを盛り込んだ具体的な計画を作り上げ、最終日には講師陣にプレゼンする。自治体の補助金に頼らずに、民間の資金を活用する「民間自立型」の提案をするのが原則だ。

 オーナーに提案が通れば、事業が実際にスタートする。空き家・空きビルの活用方法に悩んでいたオーナーにとってメリットは大きい。これまでにスクールの提案が、実施・計画に至った案件は全国で数十物件に上る。

 総務省統計局の調査では、日本の空き家率は13.5%で過去最高を更新した。20%を超えるという試算もある。管理されない空き家の倒壊や不審者侵入などが社会問題化し、自治体にとって空き家対策は急務になっている。自治体が熱視線を送るのは、リノベスクールが空き家の解消や街づくりの起爆剤になることを期待するからだ。

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「日本の空き家の再生教室、「リノベスクール」の熱気」の著者

島津 翔

島津 翔(しまづ・しょう)

日経ビジネス記者

2008年東京大学大学院工学系研究科修了、日経BP社に入社。建設系専門誌である日経コンストラクション、日経アーキテクチュアを経て、2014年12月から日経ビジネス記者。担当分野は自動車、自動車部品。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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