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標準語を話せない子どもたちに「教育」ができること

第4回:日本もかつてそうだった?

2015年4月16日(木)

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 ラオスで学校の建設を支援しているNGO、アジア教育友好協会(AEFA)の活動を追いかける藤原和博さん。谷川洋理事長と山間部の学校を訪れた。すると、様々な方言が飛び交っていて、現地の人同士でもお互いに話が通じるようで通じない。標準語が広まる前の日本では、ここで教育の果たした役割が大きかったと振り返る。(前回の記事はこちらを、著者の最近の活動についてはこちらをご覧ください)

 山間部の懐かしい風景の中でも、ちょっとした違和感のもとは、錆びてはいるが大型のパラボラアンテナがどの村にもあることだろう。高床の住居の中では、ときにテレビを観ている光景に出逢う。衛星放送を楽しんでいるのだ。

 タイのほうが人口は多いし放送局も立派だから、子どもたちがどうしてもタイ語のエンターテインメント番組を観てしまい、ラオスの標準語を覚える障害になっているとも聴いた。

日本だって昔はお互い通じないほどの方言があった

 この国の部族はそれぞれの方言を話すから、ラオスの標準語を教えることから学校教育は始まる。日本でも、かつて各地にはお互い通じないほどの強い方言があった。沖縄や鹿児島の人が本気で方言を喋ったら、全く分からないし、東北弁だってハンパない。

 だから、長い時間をかけて標準語を共通語として教育していったのだ。その苦労は、いまからもう一度、英語を公用語にしようとするようなものだったはずだ。

 逆に、ラオスでは、方言を話せない先生が教えても、土地の子は標準語を聴き取れないから、学習効率が低くなる。方言を話せる先生を育てて故郷の学校に戻してやる意義がここにある。

 社会がこういう段階にある場合には、とにかく教育の役割は大きい。

 まず言葉を共通にして知識を学び、計算の仕方を覚えなければならない。村を閉ざして自給自足で鎖国すれば、昔どおりの幸せが維持されるかというと、そうではないからだ。道路で結ばれ、交易が始まり、社会が開かれて貨幣経済が入ってくると、もはや部族内だけの物々交換では生活が成り立たない。

 だから、学習の過程は、まさに子どもたちに考える自由を与え、選択の幅を広げることになる。ある村の老婆は、私たちに「自分たちは字が読めないし書けない。でも、次の世代(Next Generation)には、その教育と希望が必要だ」と語った。

村人集会とAEFAの谷川代表

コメント1件コメント/レビュー

このシリーズ毎回読んでいますが、微妙な認識のズレが気になります。今回でも、日本は方言が異なっても同じ文字で一応コミュニケーションができる一方、ラオスは多民族国家で言語が根本的に異なる民族が隣同士ということもあります(文字のない言語を用いる民族も少なくありません)ので、単に方言を共通語に、というだけではない問題があるはずです。国としてラオ語の共通語教育が必要な反面、民族の母語を絶やさないようにできるか、という世界的にも難しい問題もあり、できればそのあたりにも言及していただければ、と思うのですが。(2015/04/17)

「藤原和博の「学校をつくろう! in ラオス」」のバックナンバー

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「標準語を話せない子どもたちに「教育」ができること」の著者

藤原 和博

藤原 和博(ふじはら・かずひろ)

教育改革実践家

リクルートの敏腕営業担当から、都内で初めての民間出身の公立中学校の校長に転じた。斬新な手法で地域を挙げての教育体制を整え、校長退職後は全国にその手法を伝えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

このシリーズ毎回読んでいますが、微妙な認識のズレが気になります。今回でも、日本は方言が異なっても同じ文字で一応コミュニケーションができる一方、ラオスは多民族国家で言語が根本的に異なる民族が隣同士ということもあります(文字のない言語を用いる民族も少なくありません)ので、単に方言を共通語に、というだけではない問題があるはずです。国としてラオ語の共通語教育が必要な反面、民族の母語を絶やさないようにできるか、という世界的にも難しい問題もあり、できればそのあたりにも言及していただければ、と思うのですが。(2015/04/17)

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三品 和広 神戸大学教授