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日本は中国富裕層の“心のオアシス”です

中国人観光客最新トレンド【後編】

2015年4月20日(月)

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(前編から読む

「お坊さんのすばらしい説法を聞いて、心底感動しました。心が落ち着いて、これまでの人生で感じたことがないほど、安らかで穏やかな気持ちになれたんです」

 清々しい表情でこう語る男性は、上海で活躍する40代の会社経営者。超多忙な日々を送っているが、2014年末、友人に誘われて4泊5日の高野山修行体験旅行ツアーに参加した。

 ツアー内容は中身が濃く、心躍るものだった。

 上海から関西国際空港に飛び、高野山の宿坊に宿泊。早朝のお勤め、写経、阿字観(真言密教の瞑想法)などを体験し、写経は弘法大師・空海の御廟がある奥之院に収めていただいた。また、早朝には奥之院に空海への食事を運ぶ儀式「生身共」を見学。真言密教の根本道場「壇上伽藍」に参拝したり、仏教美術を鑑賞したりもした。

 帰りは同じ和歌山県内の秘湯・龍神温泉の旅館でゆっくりと汗を流し、懐石料理に舌鼓を打ち、最終日は大阪のリッツ・カールトンに宿泊して自由行動。これで1万5000元(約30万円)。通常の関西団体旅行(4泊5日)の約3倍もする代金だが、男性は「精神的な満足度がとても大きい。決して高くない。参加できたことは本当に幸せだ」と笑みを浮かべる。

 同ツアーは幅広く一般を対象としたものではなく、【前編】で紹介した上海征西広告が発行する旅行専門の月刊誌『行楽(こうらく)』の読者だけを対象に主催した少人数限定の企画だったが、同社社長の袁静氏によると「40~50代の富裕層が読者の中心ですが、『お金には代えられない貴重な体験。本当にこんなすばらしいツアーに参加できてよかった』と全員が大喜びしてくださって、主催した私たちもやりがいを感じました」という。

キーワードは「癒やし」に「安らぎ」

 高野山は空海ゆかりの地。空海は遣唐使(留学僧)として唐に渡り仏教を学んだ人物だけに、中国との縁も深い。参加者たちは仏教への造詣が深い人が多く、「中国で学んだ日本人の僧侶が、母国でこのような形で仏教を広め、こんなに定着しているとは……」と、日中のつながりを実感し感激もひとしおだったという。同ツアーでは、これまでも富裕層を対象に屋久島、白川郷など、日本人でもなかなかゆっくりと時間を取って訪れるのは難しい、静かで歴史のある場所を厳選し、「食べる、遊ぶ」だけではない「学び」もある、知識人の心を揺さぶる独自のツアーを行ってきたという。

 日本人が聞いても中身が濃く、神社仏閣や歴史が大好きな私などは「ぜひ行ってみたい」と身を乗り出してしまうような魅力的な日程だが、袁氏によれば、今、中国の富裕層の間で急速に広まっている日本旅行のキーワードが「癒やし」や「安らぎ」だという。

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「日本は中国富裕層の“心のオアシス”です」の著者

中島 恵

中島 恵(なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年、山梨県生まれ。1990年、日刊工業新聞社に入社。退職後、香港中文大学に留学。1996年より、中国、台湾、香港、東南アジアのビジネス事情、社会事情などを執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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