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日本人が体験した中国の反腐敗キャンペーン

それでも消えぬ賄賂文化

2015年4月21日(火)

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 日経ビジネス4月6日号の特集「日本を揺るがす新常態 失速中国でも稼ぐ5つの鉄則」の中で、中国・深圳に拠点を置いている日本の貿易会社の話を書いた。

 この会社はこれまで、商品を中国から日本に輸出する際、税関職員に「袖の下」を渡していた。習近平指導部が進める腐敗撲滅運動のおかげで、幹部職員が金品を要求することはなくなった。だが、一般の職員たちが幹部がいない時期を見計らって金品を要求してくるようになった。

 困ったこの会社は幹部職員が出払ってしまう時間帯には出荷を止めることにした。ところが、顧客の元に予定通り商品が届かないと営業部門が怒り出し、通関業務を担当する部門ともめる結果になってしまった。そんな話だ。

 習近平国家主席が進める反腐敗キャンペーンは、中国共産党内部の権力闘争との見方がある。その一方で、中国が1978年に改革開放路線を歩み始めてから大きく広がってしまった格差を是正するためにも、反腐敗を推し進めなければならないという大義があるのも事実だろう。これは4月6日号の特集で経済学者のトマ・ピケティ氏が指摘した通りだ。

 だが、中国の社会に深く根付いている賄賂の文化は簡単にはなくなりそうにない。

明らかに樹脂製のものを植物と言い張る税関職員

 日本の地方都市に本社を置くあるメーカーは日本で作った製品を中国に輸出する際、税関と一悶着があった。時期は今年2月というから、既に誰もが習近平指導部の反腐敗の本気度を知っている。

 メーカーが輸出しようとした製品は、どこからどう見ても樹脂製と分かるものだった。だが、税関の職員がこれに難癖をつけた。

 「これは植物でできたものかもしれないから検査をしなければならない。通関にはしばらくかかると思うが…」。

 中国でのビジネスが長い、このメーカーの中国責任者はすぐに賄賂の要求だとピンと来た。どう見ても樹脂なものが植物のわけがないと文句を言ったものの、らちがあかない。かと言って、このまま通関を待っていたら顧客への納期を破ることになる。結局、職員に2500元(約5万円)を支払うと、翌日には何事もなかったように通関の手続きが済んだ。

 前最高指導部メンバーで3月に起訴された周永康・元政治局常務委員の収賄額は、数兆円に上るのではといった報道も出ている。このとてつもないスケールと比べると、2500元という金額はささやかに見える。だが、2500元は上海市の2014年の月額最低賃金を上回る金額であるし、そもそも額の多寡とは関係なく、賄賂は賄賂だ。そして、こうした賄賂をもらい便宜を図る構図が、上位組織まで埋め込まれている。

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「日本人が体験した中国の反腐敗キャンペーン」の著者

小平 和良

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス上海支局長

大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官