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鏡の国の「マイナス金利」

金融市場に広がる「あべこべの世界」

2015年5月1日(金)

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 米国では引き続き利上げに関する議論が飛び交い、地区連銀総裁らが6月利上げから来年先送りまでバラバラの纏まりない議論を繰り広げて市場を右往左往させているが、ユーロ圏では反対にどこまでマイナス金利の世界が拡大するのかが焦点になっている。

 数年前までは思考実験に過ぎなかったマイナス金利が、いまでは世界中に現実論として受け容れられているのは興味深いことだ。その先端を走るのは欧州であり、政策金利から国債利回り、そして銀行間預金や社債利回りに至るまでマイナス金利が波及している。

ユーロ圏では3割の国債がマイナス金利に

 例えばスウェーデン中銀は、世界で初めて政策金利にマイナス金利を持ち込んだ。デンマーク中銀は年初来、銀行が中銀に預ける預金金利(CD金利)のマイナス幅拡大を4週間で3回も発表したが、その幅はマイナス0.75%と世界最大である。そしてスイスは、長期金利入札でマイナス0.055%という世界初の記録を達成、債券市場ではネスレの社債流通利回りまでがマイナスになった。

 ユーロ圏最大の経済国であるドイツにもマイナス金利がひたひたと忍び寄り、10年債利回りは限りなく0%に近付いている。同国の長期金利がスイスに続いてマイナス金利に転じるのも、もはや時間の問題かもしれない。

 ユーロ圏の国債市場では3年ほど前から短期債市場を中心にマイナス金利が散見されていたが、その範囲が一気に拡大したのは、ECBが量的緩和を開始するとの観測が高まった昨年以降のことである。今年1月に正式に導入が発表されて3月から国債買入れが開始されると、ギリシアを除く各国の国債に買いが殺到し、マイナス金利が2年債から3年債へそして5年債へと拡大、いまでは10年債までもその勢いに浸食されようとしている。

 市場の一部には、そもそも国債の流通量が日米などと違って多くないユーロ圏市場でECBが計画通りに国債を買い入れることは難しいのではないか、との懸念もあったが、3月は600億ユーロというハードルをクリアし、4月以降も順調に買入れ作業は進んでいる。現在、ユーロ圏国債4.8兆ユーロの30%に相当する1.4兆ユーロの国債がマイナス金利となっているが、そのシェアは月を追うごとに上昇してくことだろう。

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「鏡の国の「マイナス金利」」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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