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先生に憧れると、子どもは先生になって帰ってくる

第7回:ラオス山岳地帯の村、パチュドンで起こった奇跡

2015年5月19日(火)

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ラオスの山村に、若者が先生として戻り始めている。日本人の支援によって建設された学校の卒業生が、師範学校を終えて故郷の村の教育に資すために帰ってきているのだ。これこそ、教育が次の世代の教育につながるという好循環である。その背景には、かつての日本がそうだったように、先生が地域のリーダーとして尊敬されるという現地の文化がある(前回の記事はこちらをご覧ください)。

 ラオスでは子どもたちの夢は、教員、ポリス、医者。

 日本でも、子どもたちは自分の身近にいる大人をモデルにして、将来こんな大人になれればいいなとキャリアのイメージを育むもの。だから、日本では、サラリーマン、公務員、学校の先生か塾の先生が人気になる。

大人も子どもも大きな夢を

 大人はみな「もっと大きな夢を持て!」とか言うけれど、だったら、そういう大人自身こそ、大きな夢やビジョンを追いかけて生きていなければいけない。社会全体が「正解主義」「前例主義」「事なかれ主義」に囚われて保守的になれば、子どもも自然そうなるのだ。子どもはいつも、大人社会の鏡だから。

 ラオスの田舎の場合には、家族の職業の他には学校で出逢う先生との時間が濃密だから、「先生になりたい!」という子が多くなるのも自然のなりゆきだ。

 そんな中、AEFA(アジア教育友好協会)が10年前に建てた小学校を卒業し、その後に建てた中学校を出た3人の子が、サラワン県の師範学校(Teachers College/3年制の教員養成短期大学)に進み、故郷の学校の教師として帰ってくるという奇跡が起こった。

 これこそ、第2の奇跡だ。

 和田中学校でも、私が赴任した2003年に3年生だった生徒が、和田中「学校支援地域本部」が主催する「土曜寺子屋(ドテラ)」の大学生ボランティアとして、2008年、私が校長5年目で卒業する年に、戻ってくる循環が始まっていた。

 先生になりたい大学生にとって、「ドテラ」という地域社会主催の私塾の場で自分の後輩の中学生を教えることは、なににも替え難い喜びだ。

 その週出た宿題で分からないところを聴いてくる程度だが、教師としての練習ができるし、生徒と「ナナメの関係」(親子や教師生徒の固いタテの関係でも、友達同士のLINEなどで錯綜したヨコの関係でもない、利害関係のない第三者との柔らかい関係)を築けることにもなる。

 「ナナメの関係」を豊かに育むことは、生徒のコミュニケーション技術を向上させることにつながるから、学校としても歓迎なのだ。

故郷に錦を飾ったモム先生(最後列中央)。最後列右はAEFAの谷川洋理事長

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「藤原和博の「学校をつくろう! in ラオス」」のバックナンバー

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「先生に憧れると、子どもは先生になって帰ってくる」の著者

藤原 和博

藤原 和博(ふじはら・かずひろ)

教育改革実践家

リクルートの敏腕営業担当から、都内で初めての民間出身の公立中学校の校長に転じた。斬新な手法で地域を挙げての教育体制を整え、校長退職後は全国にその手法を伝えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師