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なぜ「遺骨が捨てられる」のか

葬儀の簡素化が、地方を疲弊させる

2015年5月18日(月)

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彷徨う遺骨(写真はイメージです)

 東京都練馬区のスーパーの屋外トイレで、人の頭蓋骨が見つかったのが、先月23日の昼下がりのことだった。骨は焼かれた状態で、洋式便器の中に転がっていた。当時は営業中で、不特定多数の客がトイレを頻繁に利用している。そのため犯人は発見直前に、骨を遺棄して逃走したとみられる。警視庁では死体遺棄容疑で、調べを進めている。

 実はこの事件が発覚する20日ほど前にも、長野県松本市の商業施設のトイレで焼かれた骨が遺棄されているのが見つかり、地元紙で報道されていた。

 同一犯が殺人を犯し、世間の注目を集めるために遺骨をスーパーのトイレに流そうとしたのだろうか。

遺骨遺棄が多発

 いや、恐らく殺人事件などではない。2つの事件にも共通性はないだろう。実は最近、こうした遺骨の遺棄事件が頻繁に起きているのだ。大方の事情は、こういうことだ。

 ある人が亡くなり、火葬をした。通常は、大切な遺骨は丁重に供養をし、墓地に埋葬する。しかし、この故人の親族は、墓地を買ったり、寺に払うお布施を出したくなかった。とはいえ、骨壺を手元に置いておくのは気持ちが悪い。一刻も早く遺骨を「処分」したい―――。

 スーパーのトイレに遺骨を流す行為は悪質極まりないが、遺棄される場所で特に多いのは電車内だという。網棚に骨壺を乗せ、そのまま置き忘れたフリをして去ってゆく。

 もっと巧妙な手口だと、他人の墓の中に、勝手に”納骨”する者もいる。何年か後、墓の持ち主が納骨の際に墓を開けてみると、見覚えのない骨壺が入っていた、という「怪奇」が実際に起きている。

 近年、「骨壺」は、警察に届けられる遺失物、拾得物の定番にもなっているという。捨てられた遺骨は、公共の納骨堂に無縁仏として納められることになるが、そこに手を合わせに来る縁者は誰もいない。

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「なぜ「遺骨が捨てられる」のか」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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