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AI秘書は人間関係を円滑にしてくれるか?

ビッグデータとAIが変える仕事と生活(その1)

2015年5月14日(木)

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“気の利いた” AIシステムが仕事や生活を支える

 生ビールを1滴単位で測定してくれるようなIoTデバイスが身の回りにあふれるだけで仕事や生活が便利になるか、といえば、なかなかそのようにはまいりません。仕事や生活に必要であり、充実させるメディアには、視覚や音声、言語で物事を理解し、時に学習し、その結果、自分の欲求や意思を、必要な相手(を見つけて彼ら)に伝えるという、人間ならではのコミュニケーションが必要だからです。

 以前、「パターン認識」は人工知能の目や耳と題した記事で、人間のコミュニケーションを支える認識、理解や学習、そしてメッセージを生成して伝えることも狭義の人工知能=「脳を模した情報処理」に準じて重要なことを記しました。

 文字認識や、錠剤の形状が合格品かどうか判定するのに特化したあまりAIっぽくない単機能、専用用途のシステムも、苦労して業務化し、実用レベルの精度が低コストで実現できたときにはIT屋は大喜びします。古き良き昭和時代の製造業の技術者よろしく、社会の裏方(名を残さぬ捨て石!?)として人々の便利生活を支える満足感とともに現役を引退する。こんなエンジニアが続出すれば、ユーザーの射幸心を最大限煽るゲームAIやら扇情的B級ニュースのレコメンドで競争するよりも、世界に貢献できるIT産業として光る存在になれるでしょう。

 人工知能の仕組みとしては、とくに超最先端、高度なものでなくとも、さりげない気の利いたデータ連携で、実に便利な情報ライフが実現することがあります。「‘つなぐ’メタデータを介した情報連携 」の図1「マッシュアップを支える軸足メタデータ」では、まず、ソニー社のGPS-1という単機能デバイスが日付時刻とともにひたすら現在位置の緯度・経度を吐き出し、それを介して、GPS由来の位置情報無しのJPEG画像のExifメタデータに緯度・経度を補完します。次に、この位置情報を用いることで、車でドライブした経路上にサムネイル画像をプロット。それらをクリックしたら大きな元画像を、旅程の順に眺めることができるマッシュアップの例を紹介しています。

 上記は、今から5年前に、学術雑誌「情報の科学と技術」の依頼で寄稿した論文からの引用です。この論文では、この他にも、Google Appsなどのクラウドアプリに、自然言語メールでメイドさん(に摸したAppsのアバター)宛てに送った文章から、予定追加の日付時刻、内容を読み取って自動でカレンダーにスケジュール登録する2008年のマッシュアップ・アプリ「メイドめーる」なども紹介しています。

 文章中から“5W1Hメタデータ”を自動で読み取って (デモはこちら)、カレンダーやグループウエア、SNSのタイムラインの当該個所に自動投稿させる。また、同じ出来事(5W1Hは“出来事=event”のメタデータです) に言及した記事を自動的に検索・収集して、串刺しで要約し、誰がどんな異なる意見を言っているのかを自動で箇条書きにする。これら、2008年の「メイドめーる」が垣間見せてくれた世界は7年経った現時点でもまだまだ本格的な実用期、広範な利用フェーズに入っていません。クラウドサービス上のコンテンツ間を、自然言語解析技術が自動抽出した5W1H =イベント・メタデータで結びつける。この便利さを実感するには、2008年の段階では、まだまだ皆様、情報洪水に溺れそうという段階には至っていなかったのかもしれません。

 今後、自分のSNSへの今日の書き込みから、人工知能が「ご主人様」に必要な情報を推定、ランキングして、取捨選択して、時には恐る恐る、時には自信たっぷりに対話しながらレコメンドしてくれる。

◆ユーザー=ご主人:「あ、それ大事だからカレンダーに入れといてくれ!」
◇アバター=メイド:「もう入れときましたよ~ 15分前になったら、腕時計が震えて気が付きますので」

 などと最小限のやり取りで、大事な予定を逃さないようになる日も近いのではないでしょうか? 2020年頃までには、ありふれた便利機能になっているように予想します。

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「AI秘書は人間関係を円滑にしてくれるか?」の著者

野村 直之

野村 直之(のむら・なおゆき)

メタデータ株式会社社長

NEC、MIT人工知能研究所、ジャストシステム等を経てメタデータを創業。ビッグデータ分析、ソーシャル活用、機微情報の匿名化ソリューションなどを提供中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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