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車載用電池を土俵とした日韓の熾烈な争い

グローバルな観点からどうやって生き残るのか

2015年5月21日(木)

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5月13日、提携拡大を発表するトヨタの豊田章男社長(左)とマツダの小飼雅道社長(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

 トヨタとマツダのビジネス提携が強化される。マツダ「アクセラ」のハイブリッド車(HV)にはトヨタのハイブリッドシステムの技術が導入されている。HVやプラグインハイブリッド車(PHV)、さらには燃料電池車(FCV)の開発が必要とされている中、これらの新エネルギー環境自動車には多額の開発費用と開発陣、そして長期の開発期間が必要とされる。

 潤沢な開発費用を持つ日本の大手ビッグ3(トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車)であれば独自開発が可能だが、中堅規模以下の自動車メーカーが各種複数の新エネ車を独自で開発するのは極めて負担が大きい。HVのみならず将来的に必要とされるFCVの開発においても、マツダはトヨタの技術を導入する判断を下した。

 一方、トヨタはマツダが得意とする低燃費エンジン技術を導入するという。両社のこのような連携は環境自動車軸の視点から、今後もグローバルな関係において同業他社で進展するものと予測される。

 内燃機関自動車にはなかったコンポーネントやデバイス、そしてシステムの開発は、これまで各自動車メーカーが培ってきた技術分野と違うことから、開発人材の育成、開発プロセス、新技術の研究開発体制など、従来の経験値の延長上に無いものが多い。このような領域をどう攻略するのかは各社の戦術にかかっている。

 そのような中、最たるものが電池技術であり電池システムだ。車載用電池の開発、自動車メーカーと電池メーカーの連携、海外生産投資にも最近では国内外での大きな動きがある。

日本の電池産業を脅かす韓国勢の台頭

 電池産業は、昨今マスメディアを賑わしている1つの分野である。電池と言えば、鉛電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池(LIB)などいずれも日本のお家芸であり、他の追随を許さなかった産業モデルである。いや、産業モデルであったという表現の方が正しいだろう。

 LIBの発明は、旭化成の吉野彰フェローによる功績が大きいことはこのコラムでも何度か紹介した。近年の業界での関心事項は、日本、韓国、中国、米国らの鍔迫り(つばぜり)合いとも言える。

 一方で、欧州勢の存在感は全くといってない。工業製品を国力として誇っているドイツでさえ、電池産業が脆弱であることに国として憂いているのが実態だ。

 2005年頃までの電池産業と言えば、日本の牙城であった時代。日本の電池産業界の関連筋は、誰もが日本の安泰を信じていたに違いない。筆者が電池関連技術とビジネス、およびエネルギー関連の技術経営に携わった状況から見渡しても、当時の日本の強さは明らかだった。

 ところが現状を冷静に分析して見ると、日本の本来の独壇場として振る舞ってきた電池産業界に大きな雲が差し掛かってきた。韓国勢の急速な台頭、中国勢の躍進、米国でのベンチャー企業による新たなビジネスモデルなどによって猛追されているのが日本の業界の現実である。

 特にモバイル用LIBを中心とした韓国勢の台頭に見る日本の存在感の地盤沈下は否定できない。同分野ではマーケットシェアを韓国勢が逆転している。これからは、車載用電池と定置用蓄電池での攻防も活発になっていくだろう。以下では、特に車載用電池の領域に焦点を当てて、今後を探ってみたい。

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「車載用電池を土俵とした日韓の熾烈な争い」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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