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高松のスーパー「きむら」は「水族館」で勝つ

「マルナカ一強」を破る木村宏雄社長の革新力

2015年5月25日(月)

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 高松のスーパーが激変しているらしい――。

 そんな実情を知ったきっかけは、香川県出身の母の言葉だった。四国にゆかりのない人はあまりご存じないだろうが、香川ではスーパーと言えば、マルナカ。今はイオンの傘下に入ったが、単体で売上高2000億円(2009年度)をたたき出す、地元スーパーの雄だった。母の実家近くにもマルナカがあり、私も幼い頃からマルナカにしょっちゅう通っていた。

 しかし、母によると、今、高松ではマルナカ一強体制が崩れ始めているという。四国内の高速道路など、交通網が整備されたことで、本州から競合の小売りが続々四国に進出し、競争が激化。さらに、新興勢力も台頭している。中でも主婦の間で話題に上るというのが、「新鮮市場きむら」。調べてみると、香川県と岡山県で合計14の店舗を展開しているという。Webサイトはいたってシンプルで、なにがそれほど好評なのか分からない。なぜ今、こうしたスーパーが消費者から支持されているのか。それを探るため、高松に飛んだ。

「新鮮市場きむら」の林店。外観はいたって普通のスーパーマーケットだ。

 まず向かったのは、2014年6月にオープンした新鮮市場きむらの林店。外観はいたって簡素だが、店に一歩入ると不思議な構造に目を奪われる。店は2重になっていて、内側の売り場には、野菜や魚、肉やお惣菜、日用品などが他のスーパーと同じように並ぶ。さらに、その売り場を囲むように、魚と野菜を並べた市場のような売り場が設置されている。つまり、同じ店に魚と野菜売り場が2カ所あるということで、なんとも不思議な店づくりだ。

 店の特徴と言える外周の“市場”の床は、コンクリートの打ちっぱなしで、水槽には、天然ヒラメやオコゼが泳ぎ、発泡スチロールに魚が山盛りにされている。壁には大漁旗まで掲げられてあり、その様子はまさに魚市場そのもの。魚の臭いが立ち込め、雑多に見える店頭だが、見たこともない魚が並ぶ店内を歩くのは、なんだかとっても楽しい。この不思議な“ワクワク感”こそ、新鮮市場きむらの持ち味らしい。この独特な売り場はなぜ生まれたのか。その背景には、やはりマルナカの存在があった。

生鮮食品は「製造業」

 新鮮市場きむらを運営するきむらの木村宏雄社長が脱サラし、妻の実家が運営する食料品店を手伝い始めた1980年代の香川県内は、まさしく、マルナカの一人勝ちだった。圧倒的な購買力を誇るマルナカに対抗するためには、どうすればいいか。木村社長は、生鮮食品に目を付ける。

 スケールメリットが効きやすい加工食品や酒、日用品などの物販ではマルナカには太刀打ちできないし、そこで戦っても利益はほとんどでない。一方で、加工の仕方などで小売りでも工夫ができる青果や鮮魚、精肉はいわば“製造業”。扱いが難しいからこそ、差別化もできる。ここで勝ち抜くしか手はない――。

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「高松のスーパー「きむら」は「水族館」で勝つ」の著者

中 尚子

中 尚子(なか・しょうこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞入社後、証券部で食品やガラス、タイヤ、日用品などを担当。財務や法務、株式市場について取材してきた。2013年4月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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