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韓国経済の停滞に日本こそ学ぶべき

2015年5月26日(火)

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 「3月の輸入車のシェアを聞いて、現代自動車の営業本部は『守れ、守れ』と大騒ぎになったらしい」

 韓国のある大手紙の記者が先月、筆者にそっと耳打ちしてくれた。韓国の自動車市場と言えば、現代自動車と、そのグループの起亜自動車が事実上、独占してきた。国内にほとんど敵のいない現代自動車にとって、唯一のライバルとも言うべき輸入車のシェアは、5年前にはわずか6.9%だった。それがここに来て急速にシェアを奪われているのだという。

 現代自動車は2014年通期も最終利益が前期比15%減となっており、今年1~3月期の売上高は前年同期比3.3%減、営業利益は18.1%減。営業利益は過去4年で最低水準だった。

 現代自動車だけではない。サムスン電子も同四半期はスマホの不振で営業利益が前期比30%減と急落している。同社のスマホの世界シェアは2013年10~2014年2月期には29%あったが、昨年10~12月期には20%に落ち、その足元は大きく揺らいでいる。

 そして、韓国を牽引する大財閥の停滞に引きずられるように韓国経済も、GDP(国内総生産)成長率が2014年7~9月期の前年同期比3.3%から、今年1~3月期は同2.4%へ、急ブレーキがかかっている。

 ただし、韓国企業と韓国経済のこの不振が、2012年からのウォン高と、主要な市場としてきた新興国経済の伸び悩みによるものという解説はもはや珍しくもない。ウォンは対円で2012年初めから約40%も切り上がって輸出企業に大打撃を与えた。

 成長の発射台だった新興国市場の中でも、輸出の25.4%、輸入の17.1%(2014年)を占めるほど依存した中国が低成長に陥ると、同国への投資と韓国からの輸出でその高成長に乗るという好循環が一気に逆回転した。

 だが、そこにはもう1つ別の要因が潜んでいるのではないか。それをうかがわせるのが前述のGDP成長率。ブレーキはかかったが、それでも2%台。それ以前は年間でほぼ3%台以上が続いている。2000年頃からマイナス成長さえ珍しくない日本に比べればまだ高い。

 それでも、「経済に停滞感が強く、国民の間にも窮乏感が増している」(キム・ヒョンチョル・ソウル大学国際大学院教授)のは、経済のバランスが悪すぎるためだ。10大財閥の売上高がGDPの7割に相当するほど、極端な財閥依存が進んでいるため、財閥がマイナス成長にでもならない限り、経済全体の数字は伸びる。しかし、その「成長」の恩恵は、国民に行き渡らないから、停滞感や窮乏感が増すのである。

 そして、この財閥依存型経済は、民の側の努力の成果ではあるが、一面では長年にわたる政策の「齟齬」でもある。日本の戦後復興から高度成長期の入り口までと同様、ある時期までは官の主導が効果を現すこともある。しかし、その時期を逸したり、必要以上に官が強い関わりを残したりすると、経済を歪めかねない。その政策の齟齬の軌跡を、新たな視点から眺めてみよう。

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「韓国経済の停滞に日本こそ学ぶべき」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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