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機械との競争ならぬ「協調」が人間を幸福にする

ビッグデータ、人工知能を活用したビジネス、生活の今後(その2)

2015年5月28日(木)

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 最終回です。ビッグデータに後押しされるように台頭してきた今回の人工知能ブームが健全に開花し、過去2回のブーム(1950~60年代、1980年代)のように期待外れのあまりにバブルがはじけて終わったりしないことを願いつつ、人間と機械の役割分担などについて引き続き具体化し、産業的な付加価値を追求してまいりたいと思う今日この頃です。現時点での方向性を探りながら、いくつか、これまで触れ足りなかった話題を取り上げます。

ビッグデータとAIが相互に不可欠な技術として発展

 最近の記事「ビッグデータの国内市場『年率27%で成長も課題山積』」によれば、ビッグデータの分析に使われる情報システムなどのインフラの国内市場は2014年時点の444億円から、年平均成長率27%のペースで拡大を続け、2019年に1469億円に上る見通しとのことです。いわゆるインテリジェント・ストレージや、検索・配信などの「上流工程」への投資が大半なのか、それとも、徐々に中流の分析や、経営判断への活用を支援するツール(例えば弊社のVoC分析AIサーバによるポジショニングマップ作成)の割合が増えていく見込みなのかは不明です。しかし、取りあえず、データという「事実」を踏まえた経営を日本企業が指向し、後戻りなく導入していく傾向、流れを読み取って、大変結構なことととらえたいと思います。

 本連載の初回「ビッグデータが経営判断に使えない本当の理由」で図示したように、ビッグデータ活用において中流・下流の、頭脳を使った「分析」がボトルネックになっているのを解決するために、人工知能が求められている状況もますます切実になっていくことでしょう。特に人工知能と意識されていなくとも、大量データの様々な機械学習手法や、マッチング、最適化の手法が今後ますます必要とされ、データやメタデータの構造化、交通整理と活用に必須のものとなっていくことでしょう。

 人工知能の側、特に、ニューラルネット(ディープラーニング)は、ビッグデータのおかげで実用性が確認、認識され、復活したともいえます。ビッグデータと人工知能が相互に必要不可欠のものとして、互いの発展の手段として機能し、一種の共振現象を起こしているともいえます。そのあたり、ウェブやソーシャルメディアで、それぞれ地球最大と言えそうな超巨大なビッグデータを押さえているGoogleやFacebookが人工知能関連の研究開発や応用を主導するのも必然と言えるでしょう。彼らは、ハッタリや浮わついたところなく、実データを現場で解析して付加価値を引き出すべく、機械翻訳や顔画像認識の精度向上でさりげなく(時に秘密裏に)、人工知能を適用しています。

 例の悲観論をはじめ、妙な挑発などせずに(もっとも「シンギュラリティ論」の教祖格であるレイ・カーツワイル氏は比較的最近Googleに入社したようですが)、自然体でニューラルネットを説明している、FacebookのAI研究所長、Yann LeCun氏の弁には好感が持てます。ディープラーニングを生データコンピューティング(end-to-end computing)と適切に形容した次のインタビュー記事は、実に適切に、新しいテクノロジーとそのビジネス応用への取り組み方を説明していると思います。

 「Yann LeCun氏は、Deep Learningについて「脳のように機能する」と表現することを嫌う。Deep Learningは実際の脳の機能からは、はるかに遠い。そのように表現することは誇大広告となり危険である。」

 「…新しいテクノロジーをビジネスに取り入れる際は、そのテクノロジーで実現できること・できないことを正しく理解する必要があります。現状のビジネス利用では「教師あり学習」が現実的であるなどの示唆があります。

 Yann LeCun氏がFacebookでの取り組みや今後の展望で述べている通り、Deep Learningの応用はさらに発展を遂げ、ビジネスでの利用が広がるでしょう。」

「Dr.ノムランのビッグデータ活用のサイエンス」のバックナンバー

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「機械との競争ならぬ「協調」が人間を幸福にする」の著者

野村 直之

野村 直之(のむら・なおゆき)

メタデータ株式会社社長

NEC、MIT人工知能研究所、ジャストシステム等を経てメタデータを創業。ビッグデータ分析、ソーシャル活用、機微情報の匿名化ソリューションなどを提供中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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