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「恋愛をリードできない男は逸脱者」という男性差別

性役割の不平等が生む「デートレイプ」と「草食男子」

2015年6月4日(木)

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 恋愛において、おそらく誰もが多かれ少なかれ、社会的・慣習的な性役割の存在を感じているだろう。より積極的にデートに誘うのは男性側であり、男性の提案を受けてイエス・ノーを言うのは女性側である、といったように。この、社会的に強いられた性役割が往々にして、非対称なリスクと弱者性をもたらす。例えばその一角として、日本でも今後問題にされてくると思われるのが「デートレイプ」に関する問題である。

 日本においてデートレイプという言葉の浸透度はまだ極めて低い。リベラルでさえ「言葉そのもの」を知らないことが多い。デートレイプとは知人や恋人の間など、社会的には相互関係のある人の間でのレイプである。交際している相手に対して、精神的な圧力を加えたり、薬物を用いるなどして、否定の意思を表示できないようにして行われる性交も、デートレイプに含まれる。ファレルの『男性権力の神話』は1993年が初版だが、その時点でアメリカでは既にデートレイプという概念が広まっており、デートレイプに対する法規制とそれによる冤罪や定義の不明瞭さが問題にされている。 一方で、日本はデートレイプ規制の問題どころか、デートレイプという言葉自体がまだ認識されていない。しかしこれから10年以内には、日本でも法規制の対象になっていくだろう。

 デートや恋愛における男女の性役割のコスト、負担、リスクを平等にしていくにはこのデートレイプの問題から見ていくと分かりやすい。男性側がデートでアプローチをかけるという性役割は、男性側にリードする負担や責任、拒絶されることによって傷つくリスク(これは割と大きい)、そして一歩間違えば性的加害者にされてしまうというリスクを常にもたらす。

 ファレルの言葉を借りれば「男性が私たちの社会のデートで『引っ張っていく者』である限り、男性は私たちの社会の『レイピスト』であり続けるだろう」。とりわけデートレイプではそれが顕著だ。

 だから恋愛における性役割でも、そのコストやリスクについて男女が等しく引き受け、恋愛において男女のどちらも、アプローチをかけたり受け身でいたりすることが共に許される社会にすべきだろう。

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「「恋愛をリードできない男は逸脱者」という男性差別」の著者

久米 泰介

久米 泰介(くめ・たいすけ)

翻訳家

1986年、愛知県生まれ。関西大学社会学部卒、ウィスコンシンスタウト大学人間発達家族学MS(修士)取得。専門は社会心理学、男性のジェンダー、父親の育児。翻訳書にワレン・ファレル著『男性権力の神話』

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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