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「対ソ戦」の御旗の下で目論んだ格差是正

原敬が普選に反対していなければ時間が稼げた

2015年6月11日(木)

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1945年の終戦から70年が経った。
これだけの月日が経ってもなお、我々は、この戦争に端を発する問題と直面し続けている――慰安婦問題、韓国徴用工訴訟、閣僚による靖国神社参拝の是非…。
そこで、あの戦争がなぜ起こったのかを改めて考える。
今回のテーマは戦争と格差だ。
格差が戦争を生む――という見方がある。他方、戦争が平等化をもたらしたと見る向きもある。戦争と格差はいかなる関係にあるのか。。(司会は森 永輔・日経ビジネス副編集長)

(前回はこちら

日中戦争は起こるはずのない戦争だった

坂野:日中戦争さえなければ、あと5年ぐらい時間が稼げたのではないでしょうか。そもそも日中戦争は起こるはずのない戦争だったのですから。当時の人々が本気で考えていたのは対ソ戦です。石原莞爾*たちが目論んでいたのは、「重化学工業を育成し、5年かけて戦車や飛行機を造る。それが実現したらソ連と戦争しますよ」という話でした。

坂野潤治(ばんの・じゅんじ)氏
東京大学名誉教授。1937年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学社会科学研究所教授、千葉大学法経学部教授を経て現職。著者に『日本近代史』『<階級>の日本近代史』など(写真:新関雅士、以下すべて)
*:石原莞爾 陸軍軍人。満州事変を主導した。「世界最終戦争論」を唱えた。参謀本部を率い、ソ連を仮想敵国として国防充実を目指した「重要産業5カ年計画」(1937年)を立案した。

 人民戦線論が反対したのも対ソ戦です。これは、戦後に社会党左派を形成する向坂逸郎とか鈴木茂三郎 らが、国際共産主義組織のコミンテルンからの指導の下で行った運動で、民政党や社会大衆党と統一戦線を組んで、対ソ戦に反対するものでした 。斉藤隆夫*が行った有名な反戦・反ファッショ演説も、アジアの局部的な戦争である日中戦争は念頭になくて、対ソ戦に反対していたのだと思います。

*:斉藤隆夫 憲政会・民政党で活躍した衆議院議員。普通選挙法案の審議で賛成演説を行った。反戦・反ファッショ演説において二・二六事件を「陛下の重臣が(中略)軍人の銃剣に依って虐殺せらるるに至っては軍を信頼するところの国民にとっては実に耐へ難き苦痛」と糾弾した 。

井上:そうですね。どういう戦争を戦うかを考えた時にリアリティーがあったのは対ソ戦だけだと思います。アメリカとの戦争は海軍が軍拡を正当化するために一番大きな相手を想定しただけで、本当にアメリカと戦争する気はなかったのではないでしょうか。

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「「対ソ戦」の御旗の下で目論んだ格差是正」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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浜田 健一郎 ANA総合研究所 シニアフェロー・前NHK 経営委員長