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現金払いで、問題株主の追い出しが容易に

シリーズ 三角合併(合併対価の柔軟化) 第1回

  • 中村 直人

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2007年4月5日(木)

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 5月1日から外国企業が株式交換を通じて日本企業を子会社化できる「三角合併」が解禁になります。日本の経済界では「外資脅威論」に絡めて、この三角合併解禁に非常に注目が集まっています。

 しかし三角合併とは、そもそも会社法の「合併等対価の柔軟化」に伴って企業が実現できるようになる組織再編の一形態なのです。この合併対価の柔軟化の規定が5月1日に施行されるため、同日付で三角合併解禁と言われているのです。

 合併対価の柔軟化によって、合併などの組織再編時に消滅会社の株主に支払う対価として、従来の存続会社の株式に加え、債券や現金なども認められるようになります。また、合併対価として存続会社の親会社の株式や債券なども認められます。この親会社には外国企業も含まれるため、三角合併が可能となるのです。

合併対価の柔軟化は日本企業にメリットが大きい

 もともと、合併対価の柔軟化は組織再編を容易にするための規制緩和策の一環として、かねて日本経済団体連合会(経団連)が政府に求めてきたものです。一方、それに伴う三角合併の解禁については、対日投資促進を目指した小泉純一郎政権下で外資系企業からの要望に応じて決定したものです。2005年6月成立の会社法で定められ、2006年5月に施行される予定でした。

 ところが、国会への法案提出の直後にライブドアによるニッポン放送買収騒動が勃発。ライブドアと外資系企業との連携が噂され、政財界で外資系企業による日本企業買収への警戒感が広まり、三角合併解禁についても慎重論が強まりました。その結果、会社法自体は予定通り昨年5月に施行されましたが、合併対価の柔軟化にかかわる部分の施行時期だけが1年先延ばしになったのです。

 こうした経緯があるため、合併対価の柔軟化に対しては外資脅威論に絡めた三角合併解禁のマイナス面ばかりに注目が集まっています。しかし実は、日本企業にとってはむしろプラス面の方が大きいのです。最大の利点は、経営上の支障になると思われる少数株主の“追い出し”が図りやすくなることです。

 例えば、自社の子会社に問題のある少数株主がいるとします。その場合、子会社を自社に吸収合併して、その株主に合併対価として現金を支払います。従来、そうした合併の際には子会社の株主に自社株を渡さなければならず、問題株主とは完全に縁が切れませんでした。しかし、今後は合併対価として現金も認められるようになるため、そうした問題株主の追い出しが可能になるのです。

 M&A(企業の合併・買収)の分野では、経営の機動性を高めるために現金を対価にして少数株主を追い出すことを「スクィーズアウト」と言います。実は、日本企業ではこのニーズが非常に高いのです。というのは、創業者一族がグループ企業の株式を少数保有していることが多く、中には問題のある子孫もいるため、彼らを株主としてとどめおくことが経営上のリスクになっていたからです。

 スクィーズアウトは、経営陣に敵対的な少数株主の追い出しにも使えます。仮に、ハゲタカ・ファンドのような勢力が自社の株式の数%を保有していたとします。その影響力を排除したい場合には、まず経営陣が投資ファンドなどと組んでSPC(特別目的会社)を設立します。このSPCが会社を買収して、SPCを存続会社として両社を合併します。その際に敵対的株主に合併対価として現金を支払えばよいのです。いわゆるMBO(経営陣による企業買収)と呼ばれる手法です。

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