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税務面で見れば使い勝手に難あり

シリーズ 三角合併(合併対価の柔軟化) 第2回

  • 岩倉 正和

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2007年4月12日(木)

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 5月1日に会社法の「合併等対価の柔軟化」の規定が施行され、合併の対価として被合併法人の株主に支払う対価として、合併する会社の海外親会社の株式その他の財産を使えるようになります。従来は、合併で存続する会社の株式しか使えなかったのが、法改正で使用できる対価となる種類が広がります。これによって外国企業が事実上の株式交換を通じて日本企業を子会社化できる「三角合併」が解禁になります。

 この制度を使って外国企業が日本企業を子会社化する場合、まず日本にある子会社(在日法人)が日本企業を吸収合併します。その際、消滅会社となる日本企業の株主には、存続会社となる在日法人の親会社である外国企業の株式を合併対価として支払います。

 外国企業にとっては、従来のように多額の現金を調達せずに日本企業を子会社化できるというメリットがあります。そのため、日本の経済界では、特に時価発行総額の大きい外国企業による日本企業の買収が容易になるという見方が大勢を占め、当時ライブドアや村上ファンドなどが敵対的な買収を仕掛けていたことと重ね合わせて、「外資脅威論」が喧伝されてきました。

 しかし、結論から言うと現時点では、日本企業が外国企業によって三角合併されるケースはそう多くないでしょう。会社法上は三角合併が可能になったのですが、租税実務から考えると様々な制約があり、三角合併をすると合併する会社や合併される会社の株主に対して、課税されてしまう可能性が高いからです。

税制で「適格」「不適格」が問われる

 租税法上、企業が合併や会社分割、株式交換、株式移転などの組織再編行為を行う場合、その行為は課税の対象となります。これは1999年に導入された組織再編税制に基づく措置です。この組織再編税制では、対象となる組織再編行為を「適格」と「不適格」とに区別し、その行為が適格なら課税繰り延べ措置が講じられますが、不適格なら課税されます。

 例えば、A社がB社を吸収合併して、消滅会社であるB社の株主に対して存続会社であるA社の株式が交付されたとします。組織再編税制では、この時点でB社の株主がB社株を譲渡(売買)したものと見なされます。

 この合併が不適格の場合には、B社株は時価で評価されて、仮に含み益があれば、A社株が交付された時点で譲渡益が発生したものと見なされて株主に課税されます。合併が適格であるならば、この時点での課税は繰り延べされて、株主が将来実際にA社株を売却した時点でその譲渡益に課税がなされます。

 三角合併に対しても、この組織再編税制が適用されます。外国企業の在日法人をA社、日本企業をB社と見なせば同じことが言えます。ただし三角合併では、B社の株主に交付されるのがA社の株式ではなく、その親会社の外国企業の株式である点は違いますが、基本的には同様の課税措置が講じられます。

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