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【第4回】子供のいる女性を戦力と認めない上司

  • 田中 早苗

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2007年5月14日(月)

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今回の相談

 「子供のいる女性は戦力にならない」と上司に言われました。どのように対応したらいいでしょう。

 私の上司が時々、「女の人は、子供ができると戦力にはならないからなあ」と口にします。私の職場では、周囲は確かに男性ばかり。私自身も、結婚していますが子供はいません。2カ月前までもう1人女性がいましたが、出産して退職しました。

 この上司の言葉をどう受け取っていいのか、あるいはこう言われた時、どう答えればいいのでしょうか。知らないふりをして、普段どおり仕事をすればいいのでしょうか。(35歳、女性)


回答

 こうした発言が法律違反になる可能性も、なくはありません。しかし法律を盾に取るより、まずは上司に自分の気持ちを伝え、理解を促しましょう。

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 まず、妊娠や出産などを理由に社員を解雇することは、以前から禁じられています。しかし、2007年3月27日の日本経済新聞によれば「厚生労働省の出先機関が解雇などを巡るトラブルの解決に乗り出したケースは、2005年度で119件と5年間で倍増している。解雇に至らない不利益な処遇の横行は推して知るべしだろう。…働く女性の7割が出産で離職するが、その理由の6%を占めるのが『解雇・退職勧奨』だ」と報じられています。

 このような状況の中、改正男女雇用機会均等法が2007年4月1日に施行され、妊娠などを理由とした不利益取り扱いの範囲が拡大されました。解雇に加え、退職勧奨や正社員からパートへの身分変更の強要、降格、パートの契約不更新、就業環境を害すること、不利益な配置変更、派遣の役務提供の拒否などが対象となりました。会社側が社員や契約社員などに対して上記のような行為をすると、行政処罰の対象になります。

 この中の「就業環境を害すること」には、告示などによると、業務に従事させない、専ら雑務に従事させる、事業主が労働者の上司などに嫌がらせ的な言動をするよう仕向ける、などの場合が例示されています。

 ご質問の件ですが、まだ妊娠していない女性に対して発言したことなので、この発言自体が均等法違反になることはありません。しかし仮に、妊娠中、事業主に知らせたにもかかわらず、こういった上司の言動がやまない場合は、均等法違反とされ、行政指導の対象となり得ます(均等法29条)。また、紛争調整委員会の調停に付すことも可能です(同法18条)。

 また妊娠、出産に関して、不利益取り扱いが禁止されているだけではなく、「妊娠または出産に起因する症状により、労務の提供ができないこともしくはできなかったこと、または労働能率が低下したこと」に関しても、不利益取り扱いが禁止されています。

 ここに言う「症状」とは、出産後の回復不全なども含まれます。妊産婦とは「妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(労基法64条の3第1項)」を言うので、均等法上の不利益取り扱い禁止の期間は出産後1年までということになります。

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