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買収防衛策、「過半数」で安心しないように

シリーズ株主総会対策 第2回

  • 中川秀宣

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2007年5月24日(木)

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 6月の株主総会で大きなテーマの1つが買収防衛策の導入です。日本でも敵対的な買収提案が目立つようになり、今年の総会に新たに買収防衛策導入の承認を諮る企業が増える見通しです。しかし企業が導入しようとしている買収防衛策は、決して完璧ではありません。法廷闘争となった場合も想定して留意すべき点について紹介します。

 買収防衛策は新株予約権を発行する形が多くライツプランとも呼ばれ、「事前警告型」と「信託型」に分かれます。「事前警告型」が有事になってから買収者以外の株主にしか株式に転換できない新株予約権を発行するのに対し、「信託型」は平時から同様の新株予約権を発行して信託銀行が預かり、有事になって株主に交付する仕組みです。

 信託型は導入時に特別決議を経ているケースが多いのに対し、事前警告型は出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要な特別決議による承認ではなく、過半数で承認される普通決議による企業が大半です。

 買収者以外の株主に対して行使制限と譲渡制限条項が付いた新株予約権を無償で交付するわけですが、会社法では譲渡制限付きの種類株式を新たに発行する場合には特別決議による定款変更が必要となっています。買収防衛策の導入は普通決議で可能ですが、行使制限と譲渡制限条項が付いた新株予約権を無償で交付することは、その有効性を司法の場で問われるリスクがあります。

「普通」以上「特別」未満

 買収相手以外の株主への割り当てを新株予約権に限定し、さらにその新株予約権と交換する対象を普通株式に限定してしまうと、その発動を巡って裁判所で争われた場合に、普通決議と特別決議の狭間の議論となる可能性があります。そうなれば実際に株主のどの程度の信任があったのかが判断材料となることも考えられます。

 したがって普通決議による承認を前提とした買収防衛策であったとしても、3分の2の賛成が難しいようであれば、防衛策の内容を吟味し、過半数の承認でも有効と判断される内容に変更する必要があります。例えば、交付されるべき新株予約権が譲渡制限のないものであるとか、新株予約権をすべて取得する対価として同価値のその他の財産の交付もあり得る形にする必要があります。そうすれば交付を受けた株主には、買収という機会の損失以上の経済的損害を被らせることはないので、特別決議は不要ということになるでしょう。

 また多くの買収防衛策は、防衛策を発動する際に、株主利益の観点から導入の是非を判断する特別委員会を導入します。そのメンバーについても配慮が必要です。委員が社外取締役でない場合、その委員についても株主の信任が得られているかも大事でしょう。

 世間では独立性の部分に注目が集まりますが、単に独立していればいいというものではありません。防衛策が株主から取締役会への信任の枠組みの中で導入されるものである以上、取締役でない委員も株主の信任を得ているべきです。防衛策の議案の中で、委員についても防衛策の中身とセットであることを明示して株主の承認を得ておくべきでしょう。

委任状獲得に出た時の注意

 以上、株主総会で防衛策を導入する際に、防衛策の内容や実質的に使えるものにするための条件について指摘してきましたが、防衛策の導入の際にはその他の議案も導入の是非が問われる可能性があることを認識する必要があります。というのは、買収防衛策の導入を巡っては、導入に反対する株主が総会で成立させないために他の株主から反対投票をする委任状の獲得に出る可能性があるからです。

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