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エンロン事件の悪夢再び、それとも原点回帰

巨大ファンドの未公開株式評価に、市場関係者は注目

  • 杉田 庸子

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2007年5月28日(月)

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 この3月、米国のレバレッジド・バイアウト(LBO)ファンドであるブラックストーン・グループは株式を公開すると発表した。大手ファンドの株式公開は今年2月にニューヨーク証券取引所に上場したオルタナティブファンドであるフォートレス・インベストメント・グループに続くもので、LBOファンド本体の上場としては第1号になる。

 募集総額は47億5333万ドル(5748億円、1ドル121円換算)と2004年のグーグル上場以降、最大規模のIPO(新規株式公開)となっている。ブラックストーンが今回売り出すのは発行株式の一部であるが、すべての発行済み株式を予定されている最大引受価格の31ドルで評価した場合、ブラックストーンの時価総額は336億ドルとなり、ベア・スターンズ(時価総額約219億ドル)をしのぎ、リーマン・ブラザーズ(時価総額約389億ドル)に迫る。

 株式公開によってブラックストーンは米国会計基準に基づく四半期ごとの財務諸表の開示を義務づけられる。これまで全貌の見えなかったブラックストーンが、上場することで自ら株式市場のルールに準拠しその実態を開示することは、投資家のみならず監督機関にとっても歓迎できる動きかもしれない。

 SEC(米証券取引委員会)をはじめ世界の関係当局は、世界的なカネ余り現象の影響もあって肥大化し始めたファンドの規制を検討し始め、先の8カ国(G8)財務相会合でも議論に上がった。ファンドが資本市場から監視の目にさらされる株式公開することは、規制強化の動きを緩和させる可能性もある。その行く末を占ううえでも注目されるのが、ブラックストーンが間接的に投資している未公開企業の株式(投資有価証券)を、財務諸表でどのように記載するかにある。

 その注目点とは、ブラックストーンが来年から本格適用が始まる新会計基準、財務会計基準書159号「金融資産および金融負債のための公正価値オプション」に基づいて、未公開株式の評価をどのように実施するか。市場関係者の中には、基準書159号を利用して、「利益の前倒し計上」をするのではないかと見る向きもある。ブラックストーンは大量の未公開企業株式を保有するだけに、その評価によって同社の収益力は大きく変わるからだ。

 ブラックストーンの株式登録届出書(S-1)によると、2006年12月31日現在、総資産338億ドルのうち投資有価証券は312億ドルを占める。保有する投資有価証券のほぼすべては、ファンド形態の投資主体への出資持ち分である。ブラックストーンの出資する投資主体が未公開企業に投資するので、ブラックストーンは未公開企業に間接的に投資する格好だ。

 ブラックストーンの株式登録届出書では、未公開企業への投資の評価に関し、「米国公認会計士協会の指針に基づいて、投資資産の取得価格を含む様々な要素、市場の動向、比較可能銘柄の市場価格、現在もしくは将来の投資からのパフォーマンス、取得後の投資取引の参考価格などを加味して評価している」とする。

 これだけでは実態が分かりにくいが、米公認会計士協会の投資業向け指針を前提とすると、まずブラックストーンが直接投資しているファンドへの投資分は持ち分の実質価値で評価し、そのファンドが保有する未公開株式の評価は原則として取得価格で評価し、経営実態の悪化に応じて評価損を計上し、逆に単価を上昇させるような客観的な状況が発生した場合には評価益を計上する、という現行の評価手法を取っていると考えられる。

公正価値の評価に恣意性は入らないのか

 取得原価で評価する現行基準に対し、2008年1月から本格適用される基準書159号は、市場価格のない金融資産・負債に関しても公正価値で評価するオプションを認めている。ここでの公正価値とは、2006年に公表された基準書157号「公正価値の測定」に基づき、「市場での適正取引において、資産の売却もしくは負債の移転で支払われる価格」と定義される。

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