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【第6回】米国でも長時間労働が深刻化
大半が「働きすぎ」と感じる

犠牲になっているのは子供たち

2007年6月13日(水)

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 前回は日米の違いに焦点を当て、米国のビジネスパーソンは個人単位で交渉・工夫して仕事と私生活の両立を図っていることをリポートした。今回は日米共通の悩みである、長時間労働を取り上げる。ワークライフバランスを損なう問題の根は、日米でよく似ている。

 米国の労働者は長時間働く。1人当たりの年間労働時間はG7(先進7カ国)で最長の1824時間。次に長いのが日本で、1789時間、続いてカナダ1751時間、英国1669時間、ドイツ1443時間、イタリア1585時間、フランス1441時間と続く(「OECD Employment Outlook 2005」)。

 休暇取得日数が少ないのも、米国の特徴だ。『The Career Mystique: Cracks in the American Dream』(Phyllis Moen and Patricia Roehling著、Rowmann & Littlefield Publishers, Inc.、2005年)は、主要国の法定有給休暇日数と休暇取得実績(年間)を紹介している。これによると、米国は法定の有給休暇が「0日」、実際の休暇取得は年間10.2日である。日本はそれぞれ、10日と17.5日だ。同書は、「米国は先進国で唯一、法定の有給休暇がない国だ」と批判している。

働きすぎの人は「勤務先に怒っている」

 実際、米国人の大半が働きすぎを実感している。ファミリー&ワーク研究所が1003人を対象に、働きすぎと感じる度合いを「1~5」の5段階で尋ねた。「1」は「(働きすぎとは)全く感じない」、「5」は「非常に感じる」を表す。

ミシガン大学の卒業式

 回答の平均は2.7となり、この結果から、平均的な米国のビジネスパーソンは働きすぎを感じていることが分かる。働きすぎる理由は、仕事を中断されたり、一度に複数の仕事をしているためだ。

 働きすぎは、仕事の成果ややる気に悪影響を与える。例えば、自分が働きすぎていると感じている人はそうでない人と比べて、よく間違いをすると答えた人の割合が20ポイント高かった。また、労働時間について、勤務先に対して非常に怒りを感じている人の割合が、38ポイントも高い(『Over Work in America: When the Way We Work Becomes Too Much』(Ellen Galinsky,James T.Bond,Stacy S.Kim,Lois Backon,Erin Brownfield,Kelly Sakai著、Families and Work Institute、2004年)。

 こうした調査からは、仕事に疲れた人々の姿が浮かんでくる。この連載の前回と前々回では、仕事と私生活の両立を「勝ち取った」個人の試みを紹介した。個人主義が根強い米国には、成功者も確かに多い。だが、大多数は日本のビジネスパーソンと同種の疲労や苛立ちを感じている。

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「数字で見る男と女の働き方」のバックナンバー

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「【第6回】米国でも長時間労働が深刻化
大半が「働きすぎ」と感じる」の著者

治部 れんげ

治部 れんげ(じぶ・れんげ)

経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。1997年一橋大学法学部卒業後、日経BP社で16年間、経済誌記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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