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第4話 「課長のおっしゃるとおり、私も腑に落ちないのです」

2007年8月1日(水)

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第1章 4. 購買部長への疑い

 ジェピーに入社した日の午後、達也はさっそく経理部会議室にひとり閉じこもり、ジェピーの決算書類に片っ端から目を通していた。まずは会社のビジネスと業績を掴むことから始めなくてはならない。几帳面にまとめられた5年分の決算資料を見終わったとき、ドアをノックする音がした。

 「細谷です」と言って、長く伸びた黒髪の女性が入ってきた。さっき達也に質問した細谷真理だった。真理は、A4の用紙に印刷された表を机に置いた

図版

 「課長、この書類に目を通していただけますか」と言って、A4の用紙に印刷された資料を机に置いた。

 「来月の資金繰り予定です」
 達也はこの手の資料を見るのは初めてだった。資金繰り表はMBAの授業で多少習ったことはある。しかし、実物を見るのは初めてだし、実際仕事でどのように使うかは分からない。分からない以上聞くしかない。

 「どうやって見るの?」
 「資金繰り予定です。課長、知らないのですか?」
 入社したばかりといっても経理課長だ。会社の命綱とも言うべき資金の流れが書かれているこの表が読めないなんて…。真理は呆れてしまった。

 「見方を教えてくれないかな」
 達也は悪びれた様子もなく、表の見方を教えてほしいと頼んだ。真理は仕方なく説明を始めた。

 「毎日のお金の動きを把握することが資金繰りです。将来入ってくるお金と出ていくお金を一覧にして、お金が足りるか、不足するか、不足するとしたら、いつ、いくら足りなくなるかを明らかにした表が、この資金繰り予定表です」
 「なるほどね。資金繰りの予定が立たないと、会社は大変なことになってしまうんだ」
 達也は感心しながらA4の表の数字を追った。

 「課長。来月の25日のところをよく見てください」
 真理は細長い人差し指で資金繰り予定表を指した。支払い予定金額に対して、手持ち資金が1000万円不足していた。手形が不渡りになれば、会社の信用は一気に失墜する。

 「課長としてどのように対処されますか?」と、真理が聞いた。

 達也は何度も髪の毛をかきむしって考え込んだ。
 「その前に質問してもいいかな。毎月こんな状態が続くの?」
 この課長には知らないことを恥ずかしく思う気持ちはないようだ、と真理は思った。

コメント4

「「熱血!会計物語 ~経理課長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第4話 「課長のおっしゃるとおり、私も腑に落ちないのです」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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