「数字で見る男と女の働き方」

【第7回】良い残業・悪い残業

本音は「家よりも会社が楽しい」!?

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2007年7月11日(水)

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 前回は、米国ビジネスパーソンの長時間労働の実態を紹介した。今回はその理由について考えたい。紹介するのは“遅れた企業”ではなく、“ワークライフバランス先進企業”でさえ、今なお抱える課題である。

 1つ目の課題は、制度と実態の乖離だ。「これまでのキャリアで、パートタイム勤務をしようと思ったことはありますか」と、ある大企業の女性役員に尋ねてみた。

 筆者はかつて、同社で働くパートタイム管理職にも取材したことがある。当時、労働時間が短くても昇進できるとは初耳だった。これが可能なら、ワーキングマザーや家庭責任を果たしたい男性たちは、希望が持てると思ったのだが…。

 ところが冒頭の質問に対し、女性役員の答えは「ノー」。理由は、制度と実態に乖離があるためだ。この企業でフルタイムの場合、制度上は週40時間労働だが、実際は60時間働く。パートタイムの場合、制度上は週32時間で実際は40時間の労働。パートを選べば、「キャリアアップを求めていない」と評価されてしまう。役員を目指す女性にとっては、パートタイムの選択はリスクが大きい。

制度の利用を邪魔する上司

 「制度だけはまあ、整っているけれど。そんなにいい環境じゃないですね」。ある女医はこう言う。彼女は正式には週30時間半のパートタイムだが、実際の勤務時間はフルタイムを上回る。患者のカルテ整理などのペーパーワークを、勤務時間外に週6〜7時間やらねばならない。夕方以降に仕事が入ると、保育園児の子供を迎えにいくのに差し支える。

 彼女が働く病院は規模が大きく設備が整っており、専用の育児施設もある。制度だけを見ると先進的な雇用主に見えるが、実際はそうではないらしい。

 問題は上司だ。制度上は認められているのに、パートタイム勤務の利用を申請すると、露骨に嫌な顔をするという。

 そんな環境で、仕事と家事の両立に力を貸してくれるのは同僚だという。感じの悪い上司には期待せず、パート勤務の女医同士で互いにサポートし合い、仕事に支障が出ないようにしている。

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著者プロフィール

治部 れんげ

1997年、一橋大学法学部を卒業し日経BP社に入社。「日経エンタテインメント!」「日経ビジネス」編集部を経て「日経ビジネスアソシエ」編集部所属。2006年7月より1年間、フルブライト奨学金を得て、米ミシガン大学 The Center for the Education of Women客員研究員として、「米国男性の家事育児参加と、それが妻のキャリアに与える影響」をテーマに調査や取材を行った。



このコラムについて

数字で見る男と女の働き方

 米ミシガン大学で、客員研究員として男女のキャリアについて調査をした筆者が、米国の研究やリポートなどの数値を基に、働く男女の現状や意識を再確認していく。 女性リーダーのための記事は「NBonline Women at Work」へ。

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