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Vol.2 アテンション資本主義と、企業広報

  • 小林弘人

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2007年7月18日(水)

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 前回、「出版」という概念の変容とインターネットの水平線上に情報を載せたとたん、それはコマース会社、もしくはシステム開発会社、あるいはオールドメディア企業のものであろうが、すべてはメディアになるのだ、という話をしました。

 今回は、なぜウェブの地平に載ったコンテンツがメディア化するのか、ということについて、特に企業向けにお話ししたいと思います。

 ということで、今回はエンタープライズ仕様なのだ。

「注目」経済、アテンション資本主義

 すでに、皆さんはAttention Economy(アテンションエコノミー)という言葉について、聞いたことがあるかもしれません。

 私の理解におけるアテンションエコノミーとは、インターネットやさまざまなメディアインフラの普及により、情報が超供給過多となり、その中で人々の注意(アテンション)を喚起すること自体が、経済活動の中でも重要な役割を占めているということです。そして、人間のアテンションは無限ではなく、有限であるため、狭いパイの奪い合いとなるわけです。

 実は、2005年、サンフランシスコで開催されたあるカンファレンスで、私はアテンションエコノミーと銘打った講座を受講したことがあります。モデレーターは、「Linux Journal」編集長のドク・シールズ氏でしたが、そこでは、「情報公害」からいかに自分たちを守り、アテンションを受け渡さないために防衛していくか、というユーザー側の権利を訴える内容でした。

 本稿では、企業の経済活動として、このアテンションエコノミーという言葉を用いています。言い換えれば、アテンション資本主義とでも言いましょうか。ウェブではトラフィックが通貨と言われますが、まさに、メディアにおいては、アテンションこそが通貨です。

 また、私個人は企業側によるアテンションコントロールを適切なものに振り当てれば、「情報公害」は逓減させることができるのではないかと思っています。大切なのはアテンションの濫用ではなく、グッドインテンション(善意)に立ったアテンションエコノミーであり、そこへの第一歩は、まず発信側企業がコンテンツの運用にメディアとしての自覚を持つべきだと考えています。

 もう退屈なお仕着せコンテンツや、うざいSPAMは要らないってことなんだけどね。

時間の奪い合い=主導権は企業からなくなった

 いつも、メディアが新しいメディア(たとえば、テレビがインターネットに/本が携帯電話に/映画がDVDに)脅かされているという話は、人間の時間が有限資産であるため、可処分時間を巡り、さまざまなデバイスがパイの奪い合いを行っているという話だったりします。

 しかし、多様化するライフスタイルの要求に合わせて多メディアが確立され、ワンセグやFMC(Fixed Mobile Convergence:固定通信網と移動体通信網の融合)、さらにその先のNTTが提唱する次代の通信網NGNなどが実現された場合、多くのデバイスには遷移なくコンテンツが供給されるため、多メディアは多チャンネルを意味することでしょう。

 また、そんな近未来の話をせずとも、すでにインターネット上の多くのコンテンツデータはRSS/ATOMなどでフィード(配信)され、シンジケート(組織・連携)されています。すると、それらを収集するアグリゲーションサイトでは、多くのコンテンツは等価に併置されるため、ユーザーにとっては、個別コンテンツにどのくらいアタック(惹き)があるか、表題や件名がにわかに重要性を帯びてきます。

 すでに、多くのポータルサイトでは、大した内容でもないニュースにあざといタイトルがつけられ、ついクリックしてしまった経験を持つユーザーも少なくないことでしょう。これが、いまそこにあるアテンションの争奪戦です。

 もちろん、派手な化粧ばかりで、中身がなきゃ飽きられるよん。

 紙のメディアと違い、パッケージングされた文脈から切り離されたコンテンツは、単独にデリバリーされたとき、ユーザーのアテンションをどのくらい喚起できるのでしょうか。

 また、多チャンネル時代において、どのコンテンツが勝利を収めるのでしょうか。

 つまり、アテンションが有限資産であるからこそ、苛烈なアテンション争奪戦が起きるのです。そんな中、企業の情報活動はこれまでのような「自分たちが言いたいことだけを言う」トップダウン型では、もはや相手にされません。

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