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明らかに過剰防衛、慎むべき

スティール・ブルドック後の買収防衛策 第3回

  • 黒沼 悦郎

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2007年8月7日(火)

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 米投資ファンドのスティール・パートナーズとブルドックソースとの買収防衛策を巡る係争は最高裁判所までもつれこみました。最高裁では、スティールを「濫用的買収者」と認定してブルドックの買収防衛策を容認した東京高等裁判所の決定に関して、判例違反がないかを審理しています。

 最高裁の判断は、近く出ると見られています。その判断次第では事件の様相や買収防衛策を巡る議論が大きく変わる可能性もありますが、ここではブルドックの買収防衛策を容認した東京地方裁判所と東京高等裁判所の決定に基づいて、今後の買収防衛策のあり方を検討します。

金銭補償には「会社財産の浪費」の疑いも

 ブルドックの買収防衛策については、前回の記事にあるような「利益供与の疑い」に加え、「会社財産の浪費」の問題も指摘することができます。

 実は、法曹界では「ブルドックの買収防衛策は防衛効果が低いのではないか」と見る向きもあるのです。ブルドックの買収防衛策がスティールへの金銭補償を伴っていることが、そうした議論を呼んでいるのです。

 前回の記事にもありましたが、「ブルドックが金銭補償をすることで、スティールを優遇しているのではないか」といった指摘にも象徴されているように、法曹界や経済界では「ブルドックの買収防衛策は『ポイズンピル』ではなく、実は買収者に甘い『ハニー(honey)ピル』ではないか」といった見方もあるのです。

 そもそも、ブルドックが金銭補償をするのは、スティールに経済的損害を与えないようにするためです。従来、買収者にだけ経済的損害を与えるような買収防衛策には「裁判所は否定的だ」と思われていました。裁判所はそうした買収防衛策が会社法に規定する「株主平等原則」に違反すると判断して、その発動を差し止める可能性が高いと見られていたからです。

 そこで、ブルドックはスティールへの金銭補償をすることで、そうした事態を避けようとしたのです。事実、その狙いは図に当たりました。地裁は、スティールの経済的な平等が確保されていることから、会社法上の株主平等原則には違反しないと判断し、ブルドックの買収防衛策を容認したのです。

株主代表訴訟の対象になる恐れも

 しかし、ここに根本的な疑問があります。本来、買収者に経済的損害を与えない買収防衛策に果たして効果があるのでしょうか。

 今回、スティールに金銭が交付されたとして、その金銭を全額、またブルドック株の取得に充てたとすればどうなるのでしょうか。その時、株価が値下がりしていれば、スティールは買収防衛策を発動される前よりも持ち株比率を上げることができます。そして、再びスティールがTOB(株式公開買い付け)をかけて、ブルドックがまた同じ買収防衛策を発動したとしたら、無限ループになります。

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