「ダイバーシティーマネジメントに取り組む女たち」

第13回:ソニー
「進歩的な企業」というイメージに追いつくために

最前線で活躍する高松和子さん、大岸裕子さんに聞く

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2007年8月24日(金)

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 ソニーのダイバーシティー・プロジェクト「DIVI@ソニー」が発足したのは、2005年7月のことだ。中鉢良治社長とハワード・ストリンガー会長が全社的な改革プランを打ち出し、その一環として始まったのが女性の活躍の場を広げる取り組み「DIVI@ソニー」である。「DIVI」は、Diversity Initiative for Value Innovationの頭文字を取ったものだ。

 「DIVI@ソニー」のメンバーは、国内のソニーグループで働く女性管理職(課長職以上)で構成されている。メンバー全員がそれぞれの仕事と兼務で、このプロジェクトに参加する。議長を務める高松和子さんは、コンシューマーエレクトロニクスのソフトウエア開発を専門とするソニーの子会社、ソニーデジタルネットワークアプリケーションズの代表取締役である。

ソニーデジタルネットワークアプリケーションズ 代表取締役の高松和子さん

ソニーデジタルネットワークアプリケーションズ 代表取締役の高松和子さん
(写真:山田愼二、以下同)

 「ソニーは長年、女性活用に関して進歩的な企業だと思われてきました。事実、私が入社した1974年には、課長補佐以上の女性が既にいたのです」と高松さんは語る。「しかし近年、多くの企業が具体的な数値目標を持って女性活用に力を入れる中、ソニーにはそのような活動がありませんでした。また、ソニー本社の女性管理職比率は海外の子会社より低いというデータもあり、後れを取っているのではないかという懸念が芽生え始めたのが、プロジェクト発足のきっかけの1つです」。2005年はソニーの業績が下降しており、会社活性化のために女性のパワーを活用しようという機運もあった。

 「DIVI@ソニー」には20人のメンバーがいる。2005年に、まず高松さんが議長に選ばれた。他メンバーの人選を人事部が行う際、高松さんは幅広いプロフィールの女性を集めるよう提言した。「ソニーは技術の会社なので、メンバーにエンジニアが含まれること、また未婚者、既婚者、子供がいる女性といない女性など、年齢や環境の異なる人をバランスよく選ぶよう、お願いしました」

 その直後、「DIVI@ソニー」は中鉢社長直轄プロジェクトとしてスタートを切った。旗揚げには、中鉢社長自身が出席するイベントを企画し、記念講演に当時IBMの取締役専務執行役員だった内永ゆか子さん(現在は同社技術顧問、NPO法人J-Win理事長)を招聘した。

 プロジェクトでまず、社内の男女の“差”を把握するために人事部データを検証したところ、男性に比べて女性の昇進が遅れていることが分かった。また、部下を持つポストである“統括職”と係長クラスの男女を対象に、アンケートやインタビューを繰り返した結果、いくつかの課題が浮かび上がった。

 「多くの統括職からは、『男女関係なく社員を平等に評価している』との回答を得た一方で、技術の現場からは『勤務時間が長く出張や赴任もあるため、家庭を持つ女性にチャンスを与えにくい』との答えがありました。管理職手前のポストの女性からは、『管理職の面白さが分からない』『管理職に就くことへのあきらめを感じている』という声も聞かれました」と高松さんは語る。

 アンケートやインタビューで明らかになった事情を正確に分析するのには、1年を要した。「結果を中鉢社長に報告するとともに、制度的なバックアップや研修の必要性を強く感じ、人事部に協力を要請しました」

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著者プロフィール

岡崎 秀(おかざき・ひで)

岡崎 秀

1975年、慶応義塾大学文学部を卒業。出版社に勤務した後、フリーランスとして翻訳業務に従事する。1988〜2004年までパリに滞在し、現地の日本語情報誌の編集に携わる。現地の生活などをテーマにした記事を執筆するかたわら、JETRO、UNESCOで翻訳も行う。2004年に帰国後、英語、フランス語のインタビューも手がける。「日経ビジネスアソシエ」などに執筆中(写真:佐藤 正治)。



このコラムについて

ダイバーシティーマネジメントに取り組む女たち

 企業の女性活用推進室などで、ダイバーシティー(多様性)マネジメントに取り組む女性管理職たち。このコラムでは、彼女たちへのインタビューを通じ、活用推進の実態や課題、現場の声などを聞いていく。 女性リーダーのための記事は「NBonline Women at Work」へ。

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