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棚卸し資産、2008年から低価法が強制適用に

  • 松尾 絹代

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2007年10月4日(木)

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 日本の全上場会社の総資産合計額は、最近の事業年度の数字で735兆円。その10%強の74兆円を、棚卸し資産が占めている。だが、この額が2008年4月以降、大きく変わる可能性がある。

 日本の会計制度を取り決める企業会計基準委員会(ASBJ)が定めた「棚卸資産の評価に関する会計基準」で、販売目的の棚卸し資産は取得原価と時価のいずれか低い価額で評価する「低価法」を強制適用することが決まったからだ。

 多くの日本企業はこれまで棚卸し資産を貸借対照表(BS)に計上する際、購入した時の価額、つまり取得原価を使う「原価法」を適用するのが通常だった。これまでの会計基準では、低価法と原価法のいずれかを選択することができ、多くの日本企業は原価法を採用してきた。

 来年4月の基準改訂を前にして富士通や日本たばこ産業、新日鉱ホールディングスなど一部の企業では2007年3月期決算などで、棚卸し資産を原価法から低価法に切り替える動きを見せている。とはいえ、これまで多くの企業は棚卸し資産の時価を調べ、時価と簿価を比較するような作業は、全くと言ってよいほど行っていなかった。

 初めての経験なので、その意義を正しく理解し、入念に準備しないと、「どのようにすればいいのか分からず、混乱して決算が間に合わない」といった事態も想定されるので注意が必要だ。実際、期限は迫っている。

 2008年4月1日以降の事業年度から、上場会社などの四半期の財務報告制度では、決算を締めた日から45日以内に開示しなくてはならなくなった。つまり3月決算の会社は遅くとも来年の8月半ばには第1四半期の報告を終えていなくてはならない。棚卸し資産の時価評価は遅くとも来年8月上旬までには終える必要がある。

株式や不動産とは全く違う

 時価と簿価を比べて低い方を採用するというと、1999年から始まった会計ビッグバンによって、株式や販売用不動産の時価評価や固定資産の減損会計などを頭に浮かべる人も多いだろう。こうした資産評価方法の変更を既に経験してきたのだから、棚卸し資産の時価評価も問題ない、と思われるかもしれない。

 しかし、不動産や株式の時価評価と棚卸し資産のそれの大きな違いは、棚卸し資産の種類や数は、株式や不動産と違って、膨大な数になるのだ。棚卸し資産には原材料、半製品、製品といくつもの様態があり、その数は企業の規模や業種にもよるが少なくても数百、多ければ万の単位で存在する。それを一つひとつ、漏れなく評価する作業は、不動産や株式の比ではない。

 こう言うと、果てしない作業で途方に暮れてしまいそうになるかもしれないが、棚卸し資産の時価評価は既に欧米の会計基準に導入済みだ。欧米の企業ができることが、日本企業にできないわけはない。以下、棚卸し資産を時価評価する際に必要な基本的な知識を紹介する。

5つの基本

■ 時価評価の対象は、販売目的の棚卸し資産

 時価評価の対象になるのは「通常の販売目的で保有する棚卸資産」だ。通常の販売目的とは、会社の事業内容が例えば、電機製品の製造販売なら、電機製品の販売のために保有していることを指す。通常の販売目的以外の保有とは、いわゆる投機目的で保有する棚卸し資産のことで、専門的には、「トレーディング目的で保有する棚卸資産」と言われる。

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