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第9話 「あの腐った会社をたたき直してやる」

2007年9月12日(水)

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◎前号までのあらすじ



ジェピーは愛知パーツから可変抵抗器を不自然なほど繰り返し購入していた。その品物は、愛知パーツがジェピーブランドで北海道工業に販売するOEM商品だった。ジェピー、愛知パーツ、北海道工業の3社の間で何かが起きている…。達也と細谷真理が会議室でその取引を調査していると、経理部の斑目部長がいきなりドアを開けて2人を問いただした。

 「細谷さんにいろいろと質問してました」
 達也は元気よく答えた。

 「いろいろ、とは何だ?」
 「会社の業績や経理処理です」

 「質問だったら私や沢口君に聞けばいい」

 「細谷さんが一番暇そうでしたから」
 達也は真理をちらりと見て言った。

 「お前の机があるじゃないか。なぜ、ここにいる」

 斑目は明らかに達也たちを疑っている。しかし、達也はまったく慌てず、「このありさまですから」と、机の上に散乱している書類を指さした。

 すると、斑目はつけっぱなしのPCの画面をのぞき込んだ。
 (まずい)と、達也が思った時である。
 真理が足でコードを引っ張ってコンセントを抜いた。PCの画面は消えた。

 「すみません」
 真理は斑目に頭を下げた。

「こんなところにパソコンを持ち込むからだ。データが壊れてしまうぞ、気をつけろ」と大声で真理を叱りつけると、今度は達也をにらんでもっと大きな声を張り上げた。
 「お前には高い給料を払っているんだ。早く仕事を覚えろ」

 「そのつもりで、今勉強しています」と言って達也はペコリと頭を下げた。
 それから斑目部長を見て言った。

 「部長。実地勉強のために、営業所と工場に行ってもいいでしょうか?」
 「その必要はない。経理部は本社にいればいい」
 斑目は、遊び気分で行くなどもっての外だと達也を戒めた。

 この瞬間、達也は宇佐見の言葉を思い出した。
 <経理マンで最も大切なことは、自分の目で確かめることだ>

 ところが、この経理部長は経理部員は本社にいればいい、と言うのだ。
 「お言葉ですが、現場を知らなければ経理は務まりません」

 「お前は自分を何様だと思っているんだ」
 斑目の顔はゆでタコのように真っ赤になった。

 「そんな暇があるなら、伝票でも入力してろ」
 「伝票入力なら派遣社員で十分です。経理は経営を支援することが第一の使命じゃないですか。そんなことも分からないのですか!」
 達也も頭に血が上ったようだ。

 「青臭い学生の分際で。まあいい。お前は1年で首になる」と吐き捨て、斑目は会議室から出ていった。

 「斑目部長って上にはゴマすり、下には威張り散らす人ですから、気にするだけ損です」
 真理は、精いっぱいの表現で達也を慰めた。

 達也は何事もなかったかのように「ああ、腹減った」と腹をさすった。嫌なことを忘れるには、食べたいものを思いっきり食べる。これが達也のストレスをためない方法なのだ。

 「よろしかったら夕食をご一緒させてください」と言った瞬間、真理のお腹がグッと鳴った。
 「うれしいね。うまい寿司が食べたいな」
 「私、安くておいしい寿司屋を知ってます」

「「熱血!会計物語 ~経理課長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第9話 「あの腐った会社をたたき直してやる」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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