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第11話 「そうだ! 登記簿謄本を取ればいい」

2007年9月26日(水)

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◎前号までのあらすじ

井上購買部長が架空の取引先を作って不正取引をしている。ジェピー、愛知パーツ、北海道工業の3社が“循環取引”を行っている。達也と真理は2つの不正を突き止める。その仕組みは解明できた。しかし、決定的な証拠がない…。

 「団さん、また真理と一緒に来てくださいよ」
 寿司屋の親父は、わずかな代金を請求しただけだった。

 「あんなに安くしてもらっていいのかな」
 「いいのよ。あのおじさんは課長を気に入ったのよ」
 真理は、うれしそうな顔で言った。

 達也は、タクシーを拾って真理を乗せると、一人で不忍通りを千駄木に向かって歩き始めた。ここからアパートまでおよそ30分。酔いを覚ますにはちょうどよい距離だ。
 達也は歩きながら、なすべきことを考えた。井上購買部長が王川(オウカワ)梱包を使って、不正を働いているのは間違いない。とはいえ、証拠はあるものの十分ではない。

 (最強の証拠は何だろう?)

 達也は、脳細胞をフル回転させた。

 (そうだ! 登記簿謄本を取ればいい)

 玉川梱包と王川梱包の謄本を取って、中身を比べてみるのだ。特に、王川梱包(オウカワ)の代表取締役と本店所在地が決定的証拠になるに違いない。

 王川(オウカワ)梱包がインチキ取引先であることが証明できれば、経理部がニセの玉川梱包に代金を振り込んでいたことが分かるはずだ。達也はワクワクしてきた。

 (それを井上部長に突きつけてやる)

 達也はこぶしを握りしめた。

 もう1つ確かめるべきことがある。購買の井上だけではこの不正は完結しない。経理部の誰かが井上と手を組んでいなければ代金を振り込むことはできない。冷静に考えて、一番怪しいのは実際の支払い担当の沢口萌だ。彼女が最もこの不正を知り得る立場にあるし、彼女が支払い手続きを行わない限り、現金は王川梱包には振り込まれない。

 (そうか…)

 達也が入社初日に見た、沢口の不審な行動を思い出した。彼女が言った「見られたくない画面」とは、このことに違いない…。

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「第11話 「そうだ! 登記簿謄本を取ればいい」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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